次の日の朝になりました。
只今の時間7時です。
ピンポーン…ピンポーン
『………んー…?……誰…こんな朝早くに…』
まだ寝ていた所にインターホンがなったので、のっそりとベッドから降りてボサボサの髪のまま玄関のドアに手をかける。
ガチャ
『はぁい…どちら様ですかぁ…』
「おはよう、小波」
『え?あぁおはよう柳く……………っ!?』
「寝癖がひどいな…寝起きか?」
『ちょっあんま見ないでっ!当たり前でしょっまだ7時頃だよ!…や、その前に何で来たの!?』
ドアを開けた先に立っていたのは柳くんで、自然に挨拶をして来たものだから普通に返してしまった。
いや、マジで何で来たんだ。
「たまにはお前と登校するのも良いだろうと思ってな」
『でもまだ7時だってば。寝起きだって言ったでしょ。顔も洗ってないしご飯も食べてないし制服にも着替えてないから』
「それなら俺が朝ご飯を作ってやろう。その内に準備を済ませておけば良い」
『えっ柳くんが朝ご飯を?』
「なんだ、何か不満でもあるのか?」
『な…無いけどさ…』
「それなら、早く準備しないか。こうしてる間にも時間は刻々と過ぎていくんだからな」
『え、えぇー…』
柳くんは家に上がってそのまま台所に行き、私の可愛らしいピンクのエプロンを着た後本当に朝ご飯を作り始めた。
私は呆気にとられ口を開けてその様子を見ていたので、柳くんに「ぼーっとしてる暇があるのか?早く準備しろと言っただろう。あと、口が開いてるぞ」と指摘されハッと我にかえる。
そして慌てて制服を洗面所に持って行き、そこで着替えてから準備を済ませていく。
…まぁそうこうしている間に30分ぐらいが経ち、髪の毛を結ってからキッチンの様子を伺ってみたら柳くんはいなかった。
もう作り終わってリビングの机にご飯を置いてる所だったらしい。
『あれ?もう出来たの?』
「あぁ、お前ももう準備は済んだのか?」
『うん。………柳くん』
「何だ」
『え……エプロン、似合ってるよ。…かっ…可愛いし……くっっ』
「笑いを堪えながら言うな。…飯やらんぞ」
『わぁああっ冗談だよ!ごめんっ可愛かったのはホントだけどごめんって!持って行こうとしないでくださいーっ!食べたいんだってばー!』
せっかく作ってくれた出来たてのご飯を冷蔵庫に持って行こうとするので、無駄にするまいと、持って行こうとする柳くんの足にしがみついて引き止めた。
柳くんは、そんな私を見てため息をつき、仕方ないといいたげな顔でお皿を机の上に置いた。
『…良かった。本気で食べさせてくれないかと思った。せっかく柳くんが作ってくれたレアな料理を食べれないなんて有り得ないし』
「そんなに食べたいのか」
『そりゃあ食べたいに決まってるよ。いやぁでも流石達人だね、料理までできるとは。…いただきます!』
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