温もりを求めて

戦争が激化してきた。女子供は避難し、若い兵士は駆り出される。もちろん私も例外ではない。大型であるから前線に必ず駆り出される。いやとはいえない。それが戦争だから。

ディセプティコンがとある惑星を拠点に攻撃をしかけてくるという情報が手に入った。それに伴い私たちが送り込まれる。慎重に、そして正確に情報を持ち帰りオートボットが有利になるために。だけどこれは罠だった。

待ち潜んでいたディセプティコンが姿を現し一斉攻撃をしかけてきた。探知能力に引っ掛からなかったのが可笑しいと思ったが今は逃げるのが最優先、攻撃を避け逃げ回った。
しかし右翼に被弾し、墜落する。敵兵に捕らえられたらどうなるか、それは昔から嫌というほど知っている。特にディセプティコンは非道だ、だが逃げ場はない。

「おい、ここにいたぜデカイのが」
「おー、オートボットにもこんなデカイやつがいるなんてな」

ああ、見つかってしまった。
下品に笑いながら持つ銃器を頭に押し付けられる。ここで終わりか、そう思った時にジェット機の音が聞こえた。

「おい、お前ら」
「あ?なんだよいいところで…って、スタースクリーム!?」
「そいつは捕虜にする。むやみに殺すんじゃねぇよ」

スタースクリーム? どうして私を?
痛む機体に鞭打ち上を見上げる。初めて会ったときとは違う機体をしているが間違いなくスタースクリームだ。あのボディは限りなく原作に近いものだからわかる。でもそれよりも、私を助けてくれたことが嬉しくて笑ってしまった。
それに気を悪くしたのか蹴られたけどあまり痛くなかった。

そのまま私は下っ端に運ばれてディセプティコンの臨時基地の地下牢に入れられる。周りには恐らく前に捕まったオートボットの残骸が所々に転がっていた。
私もこうなる運命かと覚悟はしていた、だがこれはどういうことだろう。

「…なんだ」
「あ、いや。捕虜をリペアしてもいいのかなって思って」
「そんなことお前が決めることじゃねぇ、俺様が決めることだ」

なんとも支離滅裂な言い分だが、これはもしかしたら前のお礼のつもりなのかもしれない。助けたから助ける、本来ディセプティコンはそんなことしないだろうがスタースクリームとなると納得いくものがある。

「ありがとう、スタースクリーム」
「なっ、うるせぇ!黙ってろ!」
「ふふ、ごめんなさい」

まるで昔のスタースクリームのようだ。姿形が変わったとしてもスパークは同じなようで、それがなんだか嬉しくて。

「お、おい何で泣いて…」
「え…」

オプティックに手を持っていくと確かに涙を流していた。無意識に流れた涙に慌てて拭うが次から次へと流れていきどうすることもできない。

「あ、あははごめんねすぐ止めるからっ…」
「…」
「え、スタースクリーム…?」

スタースクリームの手が私の目にきて思わず目を閉じると涙を拭われた。どうして、君は彼のようなことをするんだろう。君は、彼じゃないのに。

「…泣くな」

ああ、私は君に彼を重ねてしまう。
こんなこと、したくなかったのに。












温もりを求めて
(私は、無防備な彼の唇から息を奪った)










‖後書き‖
なんか…、スカファが確実に病んできたからどうしようかと思う
凄く楽しいんだけどね!
スタスク頑張れ! ←

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