嘆きは届かない

スタースクリームと私は親友だった。

セイバートロン星で互いに科学者であり、多くの論述を語り合ったものだ。毎日が楽しかった。他愛のないことで笑いあったり喧嘩したり、前世よりもとにかく充実していた。
何百、何千と生きるトランスフォーマーになり絶望していた私を彼が救ってくれたからなのかは自分でもわからないのだが、彼を愛したことに変わりはない。そして彼も、私を愛してくれた。わかりにくかったけどね。

だがそれも、私の行方不明に儚くも切り裂かれてしまった。

わかっていたんだ、いつかこうなることを。でも、避けれなかった。いや、避けたくなかったんだ。もしこのとき違う行動をしていたら、いなくなるのがスタースクリームかもしれない、そう思うと避けられなかった。
ただの自己満足、これでよかった。凍りつく意識のなか私は彼にメッセージを飛ばす。

――愛しい君へ、泣かないでいつか必ず出会えるから

そこで私の意識は途絶えた。
次に目が覚めたときは彼の泣きそうな笑顔だった。

でも、1000万年という月日は長かった。私の知らない君がいることに戸惑いを隠せなかったから、つまりは嫉妬なんだ。周りにいるデストロンは私のいない1000万年間の君を知っている、それがいかに私を苦しめたことか。

彼も、それを感じ取ったらしい。私を遠ざけた。私が彼を裏切ったとみせかけてサイバトロンへ行かせたのだ。まさかこんなことで原作通りに私がサイバトロンになるとは思わなかった。
本当は嫌だった。また彼の隣にいて、彼と何気ない日常を過ごしたかった。戦争とは、やはり惨いものだ。

サイバトロンへ寝返った私は彼らに手厚い歓迎を受けた。デストロンとは違う温かみのある軍だ。それでも、私の心を埋めるのは彼しかいない。

後でわかったことだが、眠っていた1000万年間彼が私に毎日1日ずつメッセージを届けていたのだ。1つ1つ見ていく。それは日記であったり何気ないことだったりしたのだが、いつしかデストロンのことに変わっていった。デストロンのことを話す彼の声が楽しそうなのを、私は愕然とした気分で聞いていた。

彼の居場所は私ではなくデストロンなのだと、気づかされたようだった。まるで死刑宣告、地獄に落ちた気分だ。

でも、それでも彼が好きでたまはない。私の知らない彼を知りたい、だから私をどうか受け止めて欲しい。他には何もいらないから、だから…。











嘆きは届かない
(君が死んだと聞かされたとき、私は…生きる意味を見失った)







‖後書き‖
暗い!暗すぎる!
だけどちょっと楽しいかも…←

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