一番星、見つけた

あれから途中燃料が尽きかけることがあったが、星の辺境でエネルゴンを採取してくれたおかげでなんとか地球に辿り着くことができた。
だけど、私の探査機能をもってしてもスタースクリームの反応を見つけることができない。

「本当にスタースクリームは生きているのかい?」
「生きてるわよ。でも…」
「なんでいないんだあの野郎」

反応はある、しかし姿が見えない。これはいったいどういうかことなのだろうか。

「…探してみるよ」

クローンたちの制止を無視して空に飛び立つ。疲労でところどころエラーを発しているが無視して空から地球を見て回る。なんとか機能した探査のうりょくを駆使しながらだからあまり遠くまで飛べないが、範囲を狭くすればなんとかなるだろう。

「どこにいるんだ、スタースクリーム…っ!」

焦っても見つからないものは見つからない、頭ではわかっているのに、体は言うことを聞かない。

成り代わったから、好きなキャラだから、ではなく私は本当にスタースクリームを愛しているんだ。だから神様、私からスタースクリームを奪わないでください。
彼が、大事なんです。彼だけしかいらないんです、だから…。








「スカイファイアー」

時が、止まったような気がした。
冷却水で潤んだカメラアイを空に向ける。偉そうにふんぞり返る機体、自信に満ちた顔、長年ブレインの中でしか見れなかったそれが今目の前にある。

「どうした?俺様に会えて感動で声も出せないってか?」
「ッスタースクリーム!」
「うぉ!?」

力任せに彼に飛び付き抱き締める。今ここで逃したらもう二度と会えない気がして、スタースクリームが暴れるのも無視して抱き締めた。

「く、苦しいッ」
「あ…ごめんスタースクリーム」

スタースクリームが苦しそうな声を上げ、ようやく腕の力を緩める。緩めるだけで離すことはしないけどね。

「たく、イケメン台無しじゃねぇか」
「ん、ごめんねスタースクリーム」
「…馬鹿、謝んなよ」
「ふふ、そうだね」

ああ、彼が今ここにいる。優しく抱き締めているとスタースクリームの腕が背中に回ってきた。

「ねぇ、スタースクリーム。生きててありがとう」
「イケメンが死ぬわけないだろ。それより…」
「うん、わかってるよ」

自信満々に答えるスタースクリームの話しににこにこ聞いているといきなり軽く俯き恥ずかしそうに呟いた。それを合図にスカイファイアーは顔を近づけ軽く…それでも存在を確かめるように長く口づけた。
何度も、何度も角度を変えて。

「ん、スカイファイアー…」
「愛してる、愛してるよスタースクリーム」

これからはずっと一緒にいられる…、互いにそう思い2人の世界にいたからだろう、周りにディセプティコンが囲っていたのに気づかなかった。

「良かったじゃないスタースクリーム」
「なっ、お前らいつの間に!?」
「気づかない貴様らが悪いのよ」
「メガトロンまで!?」

スタースクリームは真っ赤になる顔を隠すようにスカイファイアーの胸元に顔を埋めるが、当のスカイファイアーはそれが嬉しいのか恥ずかしがるわけでもなくにこにことしている。ある意味大物だ。

「ねぇ、スタースクリーム」
「……んだよ」
「私は今幸せだよ」
「…………俺様もだ」












一番星、見つけた
(もうこの手を離さない)










‖後書き‖
スカファ成り代わり完結です!!
完結できるなんて!嬉しすぎる!

応援してくださった方々、本当にありがとうございます
続編書こうかな?と思ってますが予定なのでいつになるやら…


感想、お待ちしております!

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