▼ 切れた糸が再び繋がれた瞬間
ぼやけた視界に色が映る。ここはどこだろうか、私は何をしたんだっけ。白に囲まれているこの場所は病院だろうか。
「起きたか」
ぴくりとカラスの肩が跳ねる。声のする方向に勢いよく振り向けば頭がずきりと痛んだ、本当に私はどうしたんだろうか、目の前にはサスケがいる。
「ね、サスケ…」
「たく…、ぶっ倒れてんじゃねェ、馬鹿」
「…倒れたんだ」
「シカマルとチョウジがお前を運んだらしい」
本当はそれが自分の役目だと、サスケは思っていた。けれど今回は席が離れていたせいか直ぐには行けなかった。
「…お前は10班だ、シカマルとチョウジ、いのがいる。それからもうすぐだが、午後からは上忍が来るぜ」
サスケは後悔を押し込み平然を装うように告げる。カラスはそれを放心に近い状態で、緩く首を頷かせている、その姿に小さく溜め息を吐いた。
「午後は寝てろ、終わったら迎えに来る」
カラスの言葉を遮るように額をべちり、と弾いた。その行動に目を丸くさせるカラスだが、段々と痛みが増してきたのか悶絶する、小さく痛いぃ…という声が聞こえるが、そうさせた本人は既に扉へと手をかけていた。
「大人しくしてろ、馬鹿カラス」
俺の傍から離れんじゃねェ、
言葉は意識の底へと溶ける
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