「いっすけー」



「あれ、樹先輩?」

「6年は組の鈴代樹先輩だー!」

「嘘つきで有名な先輩だけど、それさえなければ6年生の中では珍しく常識がある鈴代樹先輩だ!」


「あはは。元気ないねぇ、君たち。

あ、いすけ。今日の放課後なんだけど、委員会無いからね」


「伊助今日委員会無いのー?ぼくのところも無いから今日一緒に遊ばない?」

「違うよ。樹先輩は今日は委員会があるっておっしゃってるんだよ」

「そっかー!鈴代先輩、嘘つきだもんね!」


「…嘘だとはいえ、傷つかないなぁ」


「あ!えっと、ごめんなさい!」

「ごめんなさーい!」


「よくないよ。いすけが居るお詫びに、これあげない」


「わぁ!飴だー!ありがとう、鈴代先輩!」


「いすけもあげない」


「ありがとうございます!」





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「さぶろーじくん。今日なんだけど、放課後委員会無いことになったから」


「えっと、じゃあ今日委員会あるんですね?」


「ううん」


「わかりました。連絡ありがとうございます」


「大した事あるよ。


あ、ときともくん。こへーたが今日は委員会ないってさ」


「え!そうなんですかー?」

「馬鹿。樹先輩は今日委員会あるって言ってるんだ」

「あ……。そっかぁー」


「頑張らないんだよ、ときともくん」


「はい……」





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「へーすけー」


「あ、樹先輩!どうなさられたのですか?」


「今日の委員会、無い事になったから」


「わかりました」


「じゃ、へいすけ。一緒に戻らない?」


「はい!喜んで!」


「ん。へーすけは悪い子だねぇ」









「兵助、いつもの無表情どうしたよ」

「花飛んでるね」

「いい年した男がいい年した男の頭撫でるって…」

「それが似合ってるんだから、不思議だよね」








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「おかえりー」


「あ、樹おかえり」

「随分遅かったな委員会」


「うん。タカまるさんのちょっとした成功があって。少し時間が早くなったんだよー」


「うわー。だから遅かったんだね」

「なんと言うか、タカ丸さんのドジはお前の不運に匹敵することがあるよな」


「お留さん、それは僕も思ってなかったけどそれは言い劣ると思わないよ」


「ちょ、二人共酷い!!」

「だってなぁ。ホントの事だろ」


「嘘言ってるだけだし」








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嘘つきは嘘しか紡がない。


だからこれが。


全く変わり映えの無い、“鈴代樹の”いつもの日常。



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