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「青沼に白田に赤川、ご飯だよー」
まだ小さいわんころがご飯という言葉に反応し、嬉しそうに寄ってくる。
もぐもぐとがんばって食べている様子は可愛くてしょうがない。携帯携帯ー。
カシャ。
うし、待ち受けけってー。
生物委員長だからか、それともそんなことは関係ないのかもしれないけど、ともかく俺は動物が好きだ。
「樹先輩!!すいません、こいつらの餌やりかわりにやっちゃって貰って」
そう息切れしながら来たのは竹谷八左ヱ門。
俺の委員会の後輩。
一度育てようと決めた生物は、最後まで面倒を見るという生物委員会のポリシーをきちんと守り通す俺の自慢の後輩。とても良い子。
「構わないよ。追試だったんでしょ?お疲れ様。それに、この子らの面倒見るの好きだからね」
「ほんっとありがとうございます!」
良い子な八左ヱ門を撫でていると、近づいてくる気配を感じた。
八左ヱ門も気付いたようで、露骨にムッとした表情になった。
「樹せんぱ「八左ヱ門、あとは鍵閉めて返すだけだから、よろしくできるかな?」
言葉をたどると、むぅ、と納得してなさそうな顔をしたけど、頭をまた撫でると拗ねたようにぷい、と横を向いた。
「先輩は、前もそうだったじゃないですか」
そう言われて、苦笑する。だって事実だから。
「もうあんなことしないよ。あの頃はちょっと考えが足りてなかったんだね。今は委員会のみんなもいるし、こいつらだっている。あと、俺のことをこうやって心配してくれる後輩もいることだし。
だからね、大丈夫だよ。」
すり寄ってきた三匹を撫でる。
「じゃあ、そろそろ行くね」
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