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「で、結局どうなんだ」
「仙くんは相変わらず、綺麗だねぇ」
「………何か違うが、樹だな」
「樹だ!!」
「小平太!久しぶりだね!!長次も!!」
「……ぼそぼそ」
「樹ー!ずっと待ってたんだぞ!!」
「えへへ、ごめんね?」
「えへへじゃねぇよいつき…」
「ちょっと待てお前らぁぁあ!!」
「何だ煩いぞキ文次」
「誰がキ文次郎だ!
なんで、いきなりこいつを樹だと認めるんだ!怪しいことこの上無いだろう!?」
「はぁ?」
「何言ってるんだ?」
「……ぼそぼそ」
「終に頭がイカれたか文次郎」
「樹の名を語った偽者かもしれんだろうが!!」
「ねぇ、それってさ」
「(あ、やべ)」
「いつきを疑ってるっていう解釈で、良いのかな?」
にっこり。
「………!!」
「(あーあ、文次郎の奴眠れる閻魔を起こしちまった…)」
「(まったく、あやつは本当に馬鹿だな)」
「(いさっくんが怖い…)」
「(こく)」
「伊作、ちょっと良い?」
「え…。どうしたのいつき?文次郎なら僕が盛るから大丈夫だよ?」
「伊作。文次は私の玩具だよ。…あ、つい本音」
「貴様おい!」
「それは僕が4年生のことでした。ある日僕が夜に散歩をしていると、人の寄り付かない火薬庫裏の茂みから声が聞こえました。誰か話しているんだな、と思い僕はすぐに踵を返そうとしましたが、よく聞けばそれはとても知っている声でした。なので、僕は気配を消して声を聞くことにしました。声は言いました『俺は、「やぁめろおぉぉおおお!!!」
「わかった!お前は間違いなく樹だ!だから止めてくれ!!」
「文次。ばーか」
「き、きさまっ…!」
「え、え、それで続きは?文次はなんて言ったんだ?すごい気になるぞ!」
「私も是非知りたいな。面白そうだ」
「俺も。奴の弱味を握りたい」
「あはは。文次郎、信じないからだよ?」
「まったく、文次は相変わらず頭が冷凍されたバナナみたいに硬いんだから」
「…お前ら!いい加減にしろっっ!!」
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