趣味は忍たま観察です
わたしは変なのかしら。




わたしは忍術学園に在籍する6年生くのたま。

名前は名前。

特に何の変哲も無いくのたま…と言いたい所だけれど、わたしには変な趣味があるの。

趣味というのも可笑しいのだけど、何か、こう、あるものを見ていると胸がキュウン、となるのよ。

便宜上、この現象を“ときめく”としている。

わたしがときめくのは…あの、ひっじょーに言いにくいのだが、男同士の友情、を見ている時。

自分でも頭が可笑しいと思うのだが、脳内で勝手にフィルターがかかって、行き過ぎた友情にしてしまうの。

こんな趣味可笑しい!とは思うのだが如何せん楽しい。

「お疲れ!」と言って肩を叩くとか、にこやかに話してるとか、ちょ、お前ら手ぇ繋ぐ、だと…!とか。

ちっさいことから大きなことまで脳内で編成されてしまう。

これは一種の困った病気なのだと思うわ。



そもそも事の発端は、3年生の時。

たまたま歩いていたら、忍たまの先輩方が忍たま同士で(ここ重要!)口吸いしていたのを見てしまった。

この時代だから衆道なんてのは決して珍しいものではないのだけれど、矢張りはじめて見ると、え? え!? ってなると思うの。

わたしもそう思ったのだが、え?って感情とともに胸の奥で“キュン”、としたのよ。
それが始まり。

最初はそうでもなかったけれど、だんだん忍たまを見ていると“キュン キュン”、とするようになっていった。


3年生のころは無自覚だった。4年生で気付き、戸惑った。5年生ではこんなんで良いのだろうか…と悩み、6年生で開き直りつつあるわ。

しかし開き直ったとしても、可笑しいことには変わりない。

なので、わたしは必死にそれを隠している。

そうしたら、何故かくのたまの代表みたいな奴(罠仕掛けたり、騙したりするくのたまの中の代表と恐れられた)と認識されるようになってしまった。

ち、違うの…わたしはただ、罠にかけて貴方達が触れ合ったりするのを見てによによしていただけだったの…。

積極的にそういうのをやっていたら、何だか成績も上がってしまったし…。

…とても、とても良心が痛むのだが楽しいのでやめない。

これがあるからわたしは6年生までくのたまをやってきたのよ。(自信を持って言えることじゃないが。)



じゃあ、今日も忍たま観察しにいこうかしら。


(男同士のアレソレな意味で)



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