ついに実行の日がきました。


あれから私と三郎君と三年生の面々で作戦をじっくりと練ったので、多分失敗しないと思います。


「はーい。これから各自やることの復習をしますよ。しっかり事前に準備をしてきたと思いますが、確認です。

まず、三之助君」


「前の委員会でちゃんと掘っときましたよ」


「左門君」


「はい!ばっちり会計委員会であの人の書いたもの持ってきました!!」


「作兵衛君」


「はい。用具のクナイ取ってきました」


「数馬君」


「先輩の言われた通りの薬作りましたよ」


「藤内君」


「しっかり予習してきました」


「孫兵君」


「じゅんこはお散歩中です」


「わぁ、皆ありがとうございます。頼もしい後輩を持てて嬉しい限りです。

では、あとは"いつも通り"お願いしますね?」


「名前、本当に後はいつも通りで良いんですか?」


「ふふ、良いんです。いつも通り迷子とじゅんこさんを捜索して下さい」


「迷子って…。お前か、左門」


「何言ってんだ。お前ら二人に決まってんだろうが」


「僕はただ自分の決断を信じてるだけだぞ?」


「それが迷子に繋がってるんだよ左門は」


「そうだ。迷子は左門だろ」


「だからお前もだっつの!この無自覚が!」


「皆落ち着いてよ。今から実戦なんだよ?」


「じゅんこ、大丈夫かなぁ」


「皆さん仲が良くてなによりです。では、後は私達にお任せです。ね、三郎君」


「はい」





「やっぱり三年生は仲良しですよねぇ。

さて三郎君。
首尾の方はどうですか?」


「名前先輩、それ誰に言ってるんですか。
勿論、完璧に決まってますよ」


「いえいえただの確認ですよ。さっすが三郎君です。此方もオッケーですよ。くのたまも良い風に助力してくれましたし」


「それは良かった。

それにしても、先輩の技術はいつ見ても凄いですねぇ。あれ、完璧に筆跡そっくりだったじゃないですか」


「あれは観察力とテクニックがあれば誰でも出来ますよ。
三郎君だってあれくらい出来るでしょう?」


「私でもあれ程完成度が高いのは無理です」


「褒められてるんですよね。嬉しいです。

でも、これは左門君のおかげですから。
うふふ。三年生の皆、下級生なのに頑張ってくれましたよね」


「普段協調性が無いとか言われてますけどそんな事ないですよね」


「ですねぇ」


「先輩、絶対成功させましょうね」


「ええ。

あ、前言った通り止めは私がしますからね。勝手な行動しちゃ駄目ですよ?」


「………」


「失敗した時の全ての責任は私が持つと言ったはずです」


「…………。別に、失敗しませんから」


「もしもの保険ですよ。

いいですね?」


「………………はい。

…頑張りましょうね、名前先輩」


「はい。健闘を祈ります」



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