勘右衛門君に呼ばれたわ。


勘右衛門君は、兵助の大事な友達。


私とも遊んでくれる、可愛くて頼もしい子よ。

他でもない勘右衛門君に呼ばれたのだから、当たり前だけど赴いたわ。何の用かしら。


「俺は名前先輩が好きです。あ、らぶの意味でですよ」


らぶ?愛?誰を?私?


「はい。名前先輩です。
先輩、最近兵助とうまくいってないみたいですよね」


………。


「なんでも兵助が、浮気してるそうですが」


………。


「先輩、"愛をくれれば他はいい"って言ってましたよね」


………。


「兵助が愛してくれればそれでいいんですか?」


………。


「そのせいで傷ついてるのに?」


……………。


「俺は、先輩のこと一等愛してます。先輩以外に浮気しません」


………………。


「先輩を、愛し続けます」


………………………。


勘右衛門君。


「はい」


私、ただ愛が欲しい子供だったわ。

愛をくれるならそれが誰であろうと関係なかったわ。

でも、それは昔のことなのよ。

今は、愛して貰いたいのも愛したいのも兵助だけよ。


「ノロケですか」


ふふ、そうかもしれないわね。

だから、勘右衛門君は大好きだけど愛してないのよ。ごめんなさい。


「………。はぁ。知ってましたよ、先輩。


ほら兵助。わかったでしょ。さっさと謝って仲直りしてよ」


え?


「名前先輩っ!!」


………兵助?


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