「兵助おま…本当に男か!?それでも男なのか!?」

信じられない、という表情で兵助に詰め寄る八左衛門。
年頃らしくそういう方面に興味津々な彼としては、兵助の行動は正気か!?と思うようなことであった。無理もない。

「男だ」

対する兵助は実に堂々とした態度だった。
こういうところが、彼がいくら肌が白く同い年の者より多少華奢で顔が無駄に整っていようと、彼を男たらしめているところである。

「名前は友達だぞ?お前俺に起つのか?」

「起つかアホ!鳥肌立ったわ!」

「え?はっちゃんホモだったの?うわきっもー」

明らかにそうでない、とわかっているくせにわざとらしく名前が身を引くものだから、こちらとしては大変イラッとする次第だ。

「友達でも、男と女じゃ違うだろ!いくらなんでも、こう…ムラッとくるだろ!」

「ハチ…いくらなんでも、セクハラはどうかと思う」

「はっちゃん…わたしをそんな目で見てたの?キモい近寄らないで」

「いやだもうこいつらなんとかして」

二人の連携により、早々に八左衛門ギブアップ。もうおでのからだはぼどぼどだー。

「ハチ…情けない奴。しかし奴は、我等五年五天王の中でも最弱…」

「三郎、それ僕も入ってなきゃ駄目かな」

「雷蔵がいないと駄目に決まってるだろ!雷蔵がいないなら辞めてやるからな!」

「あ、僕辞めまーす」

「雷蔵ー!?」

「オレもー」

「俺も」

「これで実質ハチと鉢屋の二天皇…いや二強だねざまあ」

プギャーと行儀悪く三郎を指差す名前は完全に面白がっている。イラァ。

「なんだよなんだよ!ノリ悪いなお前ら!そんなに私が嫌いか!?」

「え…」

「い、いや…」

「…別に」

「き、嫌いじゃ、ないよ、うん」

「もうやめて!鉢屋くんのライフはとっくにゼロよ!!」

はっきり嫌いと言われるより辛いわ!
泣き寝入りする三郎。これで二人が撃沈した。






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