「なあ」「ねえ」

わたしが久々知兵助を見つけた時、相手も同時にわたしを見つけていたらしい。タイミングがかち合って、言葉がぶつかってしまった。

「「………」」

黙って相手が話し出すのを待つ。相手も同じように待っているようだったから、遠慮なく話そうと思い、

「「えっと、」」

またもや被る。
このままじゃどうにもならない、と感じたわたしは、目でお先にと譲る。相手も同じだった。
もうなんか、完全に出鼻を挫かれてしまった。一気に疲れたわたし達。

「…同時で、言うか」

「…いいよ、じゃあいっせーのーせっ」


「「お前のせいで振られたんだけど」」


「はあ?」「はい?」






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