「これをあげよう。プレゼントだ」

と父親に穏やかな瞳で渡されたものがカードで尚且つなんかごっつい岩みたいなモンスターのカードをプレゼントされた少女の気持ちを10文字以内で述べよ。


すごく、微妙です…。

どんな反応したらいいんだこれ!え、これ渡されて喜ぶのが普通なの?一般常識なの?なにそれこわい。

内心微妙な気持ちで、しかし嬉しそうに笑顔で受け取っておいた。
ほら、父上は好意でプレゼントしてくれたのに、こんなのイヤとか言ったら傷つくかもしれないし…。


両手におさまる"先史遺産アステカ・マスク・ゴーレム"と書いてあるカードを見つめる。

ゴツい。可愛くない。

渡されたのがカードってとこも微妙だがこんな岩みたいなのってとこも…。

私は何気なくそのカードをひっくり返し、裏を見た。
そして、あれ?と首を傾げる。

私のちょっとした不満を一瞬で既視感に塗り替えたのが、カードの裏、つまり絵が描いてない方である。

なんだか見たことある。
そう、昔男の子達が夢中になって集めていた


―――遊戯王、カード。



その時、あれ?と思ったのだ。

でもまあ、遊戯王カードをプレゼントする所もあるだろう、お父様はレアカードをくれたんだろうと、自分を納得させたのだった。
遊戯王カードを渡されたとこまではよかった。お父様のセンスを疑うが、愛情は疑ってないので。


しかし、決定的におかしいと思ってしまうような事件に遭遇してしまった。

とある日、上の兄様とお父様のデュエルを偶然見かけた時。

モンスターが、実体化、していた。

ウオーとかいいながら攻撃していた。攻撃を受けたら痛そうだった。


え、えー…。なにこれー。

遊戯王って、こんなものだっただろうか。

マジで?最近の遊戯王ってこんなに進んでたの?と現実逃避しそうになったが、いや、ナイナイ、と即座に否定する。
少なくとも、私が知っている遊戯王はこんなんじゃなかった。なんか、紙とか広げてその上でやってる光景を見たような、そうでないような。
うん、曖昧だがそんな感じだった。

兄様達もやってるし、この一家はそんなに遊戯王好きなのだろうか。

でも、実体化とか…。

普通じゃ、ないよね。



…止めよう。深く考えると泥沼な予感がする。さらに鬱になりそう。

若干荒んだ心と共にアステカさんを眺めていると、不思議と癒される気がした。うん、かわい、い…?






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