こんにちは。どうも、いわゆる転生っぽいものをした者です。

前世みたいなのでは名字名前とかいう名前でした。


通学中に急いで信号を渡ろうとした結果がこれだよ。そりゃ私が悪い。でも青になりきらないのに発進してきた車も悪いと思うの。

ありえないくらいぽーんと跳ばされて、マジで車に跳ねられた時ってこんなんになるんだ、大袈裟じゃなかったんだ、とか今ではそんなどうでもいいこと考えることができるけど、あの時はとにかく頭が真っ白だった。何も考えれなかった。
轢かれた私がどうなったのか、救急車呼んで貰えたのかとか病院に行けたのかとか全校集会とか開かれて生徒はさぞ迷惑だろうなあとか考えれたのも、私が転生とやらをした後だった。


気付いたらキレーなお母様と、優しそうな父上様が私を見つめていましたとも。

何が起こったのかわからず、ポカンとしていた頭に事故の瞬間がフラッシュバックして、パニックを起こして泣き出した私。赤ん坊でよかった。赤ん坊は泣くのが仕事だもの。もう高校生になったら泣けないもの。

散々泣いて、幾らか思考が冷静になった私の頭にぽんと浮かんだのは、"転生"という言葉だった。

輪廻転生。人は死んだら魂になり次の生を受けるという、あれ。

車に轢かれた私が本当に死んだのかはわからないけれど、私という意識がここにあるからには、私は死んだのだろう。

一時期それでずーんと落ち込んで、笑わない赤ん坊らしくない赤ん坊だったものだが、それでも優しくしてくれた親御さんには非常に感謝している。可愛くない赤ん坊だったろうに。

そうやって吹っ切るまでに、数年かかったのだが、逆に数年は鬱々としていてよかったのかもしれない。
赤ん坊故の羞恥、いや私が赤ん坊じゃないから当然だが、赤面ものの醜態を落ち込んでいた私は黙々と流されるままに受けていたからだ。思い出したら顔が赤くなる。脚を開かれるのは本当勘弁して欲しい。本当。






[1/4]

[*前] | [次#]

第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -