「田村ぁぁ!!」

「ぜ、善法寺せんぱ、ぐえ、」

「三木くーん!?」

「もうなんなのなんなのさ!馬鹿か君は!これまでずーっと一緒で仲良しでほえほえしてて正直羨ましかったのにさぁ!いきなり離れるとか何なの!?馬鹿なの!?死ぬの!?どう聞いても君の責任だよ馬鹿!葉か馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ばかぁ!!何で一緒にいないの!?何で手を離しちゃったの!?何で忘れちゃったのさ!!もー!!ほんっとに真性の馬鹿だよ田村!!君らが幸せそうだったから僕は見守るのに徹そうと思ったのにさぁ!!なに?貰っていいの?貰っていいんですか馬鹿!!それなら遠慮なく頂いちゃうよ!!攫っちゃうんだからね!後悔すんなよおこがましい!!このっばぁかぁぁぁあああ!!!」

「伊作伊作、所々本音駄々漏れだぞ。」

「あの、食満先輩、これは一体…?」

「三木の胸倉を善法寺伊作先輩が掴んでまーす。」

「いや、喜八郎くん、それは見たらわかるよー。」

「…すまんな。伊作の好きにさせてやってくれ。
正直言って俺は本気の伊作を止めることはできない。」

「ぜ、ぜんぽ、じ、せんぱ…」

「三木くん、死なないでー!」

「僕がさっき何回君に対して馬鹿って言ったかわかる!?」

「伊作、もちつけ。いや間違えてない?とりあえず落ち着け。

田村降ろしてやれ。な?」



「げほっ、な、何のこと」

「田村、今"何"って言った?それってこの後に及んで何もわからない気づいてないってこと?」

「すまん平に綾部に斉藤。俺には田村を救うことはできない。」



「四年くのたま八代!!君の幼なじみ!!!忘れてたわかった思い出した!?

いいんだよこのまんまでも僕は!どんな八代ちゃんでも八代ちゃんには変わりないからね!君が何もしないなら僕が貰いに行くから馬鹿!でも僕は前の八代ちゃんの方が八代ちゃんらしくて好きなの!悔しいけど田村じゃないと意味無いから!!悔しいよほんと!!
ああもうわかったら早く!行くの行かないの!?さっさと決めろ!!一日にこんなに馬鹿って言ったの初めてだよ馬鹿!!」


「っっっ!!!」







「おやまぁ。」

「三木くんはやいねぇー…。」

「えっと先輩、大丈夫ですか?」

「うー…。」

「あー…大丈夫か伊作?」

「留さんのばかー…。」

「なんでだよ。
すまんな、って今日こればっか言ってるな。
でも悪いのは田村みたいだから、な?」

「いいですよ。三木にむかついてたのはこっちも同じですから。」

「まあねー。善法寺くんが来なかったら僕たちが言ってたと思うからね。」

「…八代には元に戻ってもらわないと困りますから。」

「滝、つんでれ?」

「うるさいぞ喜八郎!」

「はは。そうか。まだいまいち事態は掴めてないんだがな。

つーかその八代?って奴はどんな奴なんだ。気になる。

おい伊作、帰るぞ。」

「……………」

「伊作がここまでなのも珍しいな。じゃ、またな。」

「ではー。」
「ばいばーい!」
「お気をつけて。」


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