03
濃い。
一言で言えば、それに尽きる。
なにがって、面子が。
濃い。ひたすら濃い。キャラが。
今の私の気分はカルピス原液をイッキした気分である。多分顔はゲッソリしているだろう。
…カルピス原液ってヤバい不味いよな。薄めたら美味しいのに。
とりあえず、私と一緒にこの島に来た人達と挨拶したのだが、彼等のあまりにも濃いキャラのせいでもうお腹一杯だ。腹八分目ってどころじゃねーぞ。
さすがは超高校級と言うべきか。
落ち着くためにも、なんとなく彼等のことをまとめといておこう。
まずは、私が茫然自失としていた時に傍で心配してくれていた人。狛枝凪斗。
彼にはちょっと情けないところを見られてしまった。
私が日向はじめに入り込んで間もなく、記憶整理とかでごっちゃごちゃになっていたので、最初は大いに挙動不審だっただろう。
お恥ずかしい。
狛枝は背が高いわりにひょろっとしていて、なんだかほそっこい。頼りなさげである。
しかしなんだかんだで私を心配してくれていたので、悪いやつでは無いのだろう。…やけに自虐的だが。
あと超高校級の幸運らしい。
どういうことかというと、抽選で選ばれた一般人。
つまり才能とかは特にないらしい。ちょっと親近感を感じた。
左右田和一。超高校級のメカニック。
ピンクの髪という派手派手しい外見にビビって、完全に不良さんだと思っていたのだが話してみれば別にそんなことはなかった。
というかここに来た人達の中じゃ、かなりマトモな人だと思う。
人は外見によらないって本当ですね、お母さん。
彼が言うには空港にある飛行機はエンジンが抜かれていて、ハリボテみたいなもんらしい。
まあこの状態で帰っても色々ヤバいだけだからかえって助かる。
ここは安全も保証されてるみたいだし、しばらくなんとかならないか模索してみることにしようかと思う。
田中眼蛇夢。超高校級の飼育委員。
この親はなにを考えて名前つけてんだ!とクレームを出したいくらいキラキラなネームの彼は、なんというか…厨二病です。
その制圧せし氷の覇王さんによれば私の魔力はせいぜい10らしい。金魚可愛いじゃんよ。
あと破壊神暗黒四天王が超かわいかった。
素直に可愛いと言ったところ普通に照れてお礼を言ってきた。
この人、厨二病だけど良い人だ。と私は思った。
後で四天王触らせてもらおう。
罪木蜜柑。超高校級の保健委員。
苗字が不吉すぎてどうなのかと思うが、彼女にそんなことを直接言ったら謝り倒された上に泣かれそうなので、心の中だけに秘めておくことにする。
つまり、彼女はそんな人である。
挙動不審というか、おどおどしすぎというか、自己評価が低すぎるというか。
せっかく可愛いのだから、もっと堂々としてればいいのに。
よく言えば守ってあげたい、悪く言えば虐めたい、そんな感じの子だ。
とりあえず収集つかなそうだったので、罪木の両手を握って友達になりたい、という旨を多少誇大して伝えておいた。
そしたら物凄く喜ばれた。可愛い。
澪田唯吹。超高校級の軽音部。
…おい、いい加減に名前を突っ込むのは疲れてきたんだが。
というか大丈夫なのこれ?著作権的に。
そんなどこかで聞いたことのあるような設定にクリソツな彼女は、うん、すごく、テンションたかいです。
一向に下がらない、むしろ上がるばかりのテンション。
言ってることもその場のノリなのだろう、ちょっと意味わかんなかった。
そんなノリノリーなテンションについてけない私だった。基本がローテンションなもので。
なんだか楽しそうな子だった。ああいう子がいれば暗い雰囲気もガラッと変えてくれそうだ。
弐大猫丸。超高校級のマネージャー。
マネージャーって嘘だろ。どう見ても選手だろ。と思うようなムキムキマッチョな巨漢の方だ。
あと声でかい。
初対面で腹から声を出さされた。
今後、彼に関わっていると問答無用で鍛えられそうだ、という謎の勘が働いたので彼には近寄らないことにしよう。最低限。