ピンクのモコフワさん


「ドフラミンゴさん。お久しぶりです」

「あァ?…あの時のお嬢ちゃんか。フフフッでっかくなったじゃねェか」

「いえ、まだ成長途中ですから。これからまだまだ伸びますよ」

にこにこと話す私とピンクのモコフワさんこと、ドンキホーテ・ドフラミンゴさん。
出会ったのはもう少し私が小さいころだったけれど、その時から気兼ね無く話せる唯一の人、と言ってもいいかもしれない。

ドフラミンゴさんは七武海とよばれる凄い海賊の一人だ。
海賊なのに海軍から様々な特権を貰っている七武海という制度に大人の事情を感じずにはいられない。
そんな立場の人だからか、ドフラミンゴさんは天竜人だからといって必要以上に萎縮したり敬ったりしない。
いつもにやにやしてて大きいし威圧感があるが、私にとっては悪い人ではない。
ふざけているようで割りと論理的だし、効率に重きを置いた現代人的な思考をしていらっしゃると思う。要は話しやすいのだ。

「………」

私が喜色満面で話しかけたのを見て、一歩下がってたホノは、元の何を考えているのかわからない無表情で控えていた。

「フフ、あのメイドちゃんがお付きじゃ無くなったのかァ?まーた面白そうなものを連れてやがる」

「メアリーは家で留守番です。こちらはホノといいます」

「………」

ホノを紹介するときにわくわくが態度に出てしまったのは致し方ない。ホノはすごいのだ。格好いいのだ。無言のまま小さく会釈するホノかっこいい。

「こりゃ珍しいもんを仕入れたモンだな。あれ以来絶滅したと言われていた戦闘民族の生き残り…フフフ、風の噂で生き残りが居たとは聞いたが」

話の雲行きが少し怪しい方向にいっているのを感じとり、ん?と内心小首を傾げる。
別に私はホノが何者でどこから来たとかどんな経歴の持ち主だとか生まれとかは気にしてないのだが、周りの人間はやたらそういうのを気にする。難儀なものだ。

それに、あれ以来とはどういうことなのだろう。
ドフラミンゴさんに聞こうとしたが、その直後言われたことで質問は頭から完全に消し飛んでしまった。


「嬢ちゃん、ソレ、俺にくれねェか?金ならいくらでも出すからよ」










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