孔雀草2
「メリークリスマス!」
『…随分遅いクリスマスだな』
思い立って赤司に電話をかければ、そんな一言が帰ってきた。
「あれ?今日何日?」
『27日だ、馬鹿』
「あっちゃー…。いやさ、あれよ、その。冬休みって日にちの感覚無くなるよね!」
にこぉ!と、相手には見えないだろう笑顔を浮かべながら、話を誤魔化しにかかった。
無論、鼻で笑われたが。
『平日も間違えてる奴に言われてもな』
「さーせん!」
いやだって、毎日毎日変わるんじゃあわからなくなる時もあるさ!
おかげでノートに日にち書くときしょっちゅう赤司に聞いてるんだけどね。いつもありがとうございます。
「赤司クリスマス何してた?」
『部活だ』
「御苦労様ですホント」
まさか赤司に限ってクリスマスエンジョイしてることあるまい!と思いながら聞いたのだが、思ったよりアレだった。
大変だなこいつも。バスケだっけ、確か。
『花畑は…聞かなくともわかるな』
「なんと!?そこは聞いてよー私が何をしてクリスマスを楽しんでたのかをよー」
『大方14時位に起床して明け方までゲームやってたとかそんなものだろう』
「赤司…貴様天才か」
『お前を知ってれば予想ぐらいできる』
「まじかー」
クリスマスなんてただの冬休みの一部でしかなかったよパトラッシュ。そもそもカレンダー見ないからな私。今日もそろそろクリスマスじゃね?と思って赤司に電話をかけたわけだし。
「でもさ、私んとこ今日クリスマスやるって言ってたんだけど」
母さんが。
鳥一匹買ってきて、でっかい!って騒いでるの聞いたし。
『それは…お前の母だからだろう。あの人はどうにもずれている所があるからな』
「まーそれは否定できないわ」
ボケッとしているというか。天然というには作為的なのが頭を悩ませる所だ。
「でさ、その母さんがお前も呼んでこいっつってたんだけどなんか他に予定ある?」
母さんは赤司を妙に気に入ってるからな。家に遊びに来た時は、ひゃっほーいイケメン!って叫んでたし。
我が母ながらどうなんだこれ。
『特に予定はないが…お前の母、狙ってたのか?』
「…それはない、と思いたい」
クリスマス当日だと、忙しくて断られるから遅らせて、とか?
…いや、さすがに母さんがそこまでするわけないじゃん。ねー?と問いかける。無言が返ってきた。
まさか、なあ?うん、ないない。
『今からそっちに向かう』
「おうよ。母さんに話しとくね」
『ああ、宜しく頼む』
ガチャリと電話を切った。
さて、暇だし赤司迎えに行こうかな。
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