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「トバリシティマダー?もう疲れたんだが足パンパンなんだが」
『パンパン…』
ぼそりと小声で呟く隣のポケモンは無視するとして、上を見上げる。
「雨も小降りになってきたしもうそろそろつかないかな」
『多分もうちょっとかな。あー雨あがってしまう』
残念そうに一城は言った。
やっぱり水タイプだから天候雨の方が良いのかな。テンションも大分普段のものに近付いてきているし。
「あ、あれかな」
前方にちらりと見えてきた町に、俄然テンションが上がってくる。やっと落ち着いて休める場所に行ける。
「しーくんもう少しで着くよー」
しーくんが入っているボールに語りかけるように言えば、少し時間を置いた後、カタリと一回だけボールが申し訳程度に揺れた。どうやら昼寝していたようだ。反応が鈍い。
「本当、よく寝る子だな」
『良い子だからね』
普通、こんなに昼寝したら夜寝れなくなるものだと思うけど、しーくんは夜もきちんと眠れているので睡眠時間は凄いことになっているはずなのだが。
あんまり寝すぎるのも良くないと聞くが、果たしてそれはプリンにも当てはまるのかどうか。
「お、雨止んだね」
『…うん止んじゃったね』
一城は、はあと溜め息を吐いて意気消沈している。わくわくしてきている私と見事に反対だ。
「テンション上げすぎて疲れたんじゃ?」
『そうかもしれない。暫くボールで休んでるよ』
「そうした方がいいと思う」
ついでに頭も冷やしてきて下さい、と思いつつ、ボールを取り出し一城の方に向ける。オーライ、いつでもばっちこい。
赤い光とともに、兄やんはボールに入っていった。
「………」
どこからか聞こえてくるポケモンの声以外聞こえず、辺りは静かなもんである。
隣で話し相手をつとめていた一城が居ないだけで随分静かになった。
ちょっと前にしていた会話は野生ポケモン達に聞かれていたりしたら赤面ものの内容だったのだったりしたのだが、どうか、小さい子(ポケモン)は聞いておりませんように。
教育上に悪い。悪すぎる。
悪ノリした私も私だがさっきの会話は本当に酷かった。
外でベラベラ話すようなことじゃなかった、と今は反省している。
私も結構ノリノリだったとか、そんなことは断じてない。
と、くだらないことを考えている内に町は目前に迫っていた。
速くポケセン入りたい休みたい。
私は足早に町へ向かった。
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