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「ふっかーつ」

やっとのことベッドから降り立つことができた私。原因は紙を読んでたせいだったりするんだけどね。

『よかったよかった』

『おめー』

まあ、元々体調悪かったり風邪ひいてたりしてたわけじゃないんだけれど。あの野郎のせいだけど。あのツラぜってえ忘れないぞ。末代まで覚えててやる。

「今回の件では誠に心配をかけまして…」

『いえいえ、それほどでもある』

『今後気をつけたまえー』

ペコペコ自分の持ちポケに頭を下げるトレーナーと、くるしゅうないとそれを受け止めるポケモン達。どんな光景だこれは。

「どうしようか。このまま、トバリシティまで行っちゃう?」

『この前の遺跡はあれでいいのかい?』

「うん。まあ一応、目的は達成できたことだし後なんか、こんなのも見つかったことだし」

じゃじゃーん、とそれを取り出す。

『それは食べられる石ですかー?』

「食べられない方の石です」

チョコレートじゃないぜしーくん。石の形したチョコレート旨いけどな。

『なんだ、ムーンストーンじゃないか』

なんだとはなんだ。そしてなんで英語なんだ。

「イグザクトリーでございます。なんかね、落ちてたというか、気付いたら懐にあった。ので貰っちゃう」

紙と一緒にあったんだよね。サービスのつもりか知らないが、あの神(自称)もやってくれるもんだ。
正直、進化の石って高いんだよ。あんま売ってないし。だからって自力で探すには石を見分ける必要があるらしいし。磨いてあれになったってだけで、本来石っころとほとんど見分けつかないらしいぜ?そーなの!?って普通に驚いた。都会っ子の埋まってる野菜を見たことないのと同じ感じで。

「つーわけでこれはしーくんにあげたいと思いますが、いい?」

『くれるもんは貰っときますよー』

「無くさないでね」

『チョコレートだと思ってー、大切にしておきますー』

「…食べちゃわないでね」

なんだろう。途端に不安になってきた。



「じゃあ、さっそくトバリシティに向かおうか。雨がよく降るらしいから傘買って」

『合点だ』

『あいあいさー』







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