27
…ふう。何だかここ最近、歩いたり走ったり歩いたりして、私のおみ足はブロークンレッグだぜ。ふくらはぎな。ここ、重要。
「てか、なんかトレーナー多くないかい?」
エリートさんとか、双子とか。おっと初のダブルバトルフラグ。うわーマジでか。
『だって209番道路だもん』
『………』
一城、だもんとかつけるな。擬人化したらいいお兄さんな癖して。
あと椎、まだおやつタイムじゃないからそんな、無言で両手差し出したって駄目だからね!いつまでも流される私じゃない。
「椎くん、おやつは一日一回午後3時だけと言ったでしょう」
『………………』
み、見ないで、私を見るなぁ!
負けない。そこらへんきっちりとだよ、私。
「…め、めっ!」
…めっ!じゃねーよ自分!
なんだそれ、三歳児に言い聞かせるんじゃないんだからさぁ、もっとなんかあるだろ、なんか。考えろよ私。
『………』
駄目でした。
「にーに、バトンタッチですわ!」
をーほっほっほっ!敵前逃亡!仕方ないね。
『はいはい。しーくん』
『…はーい、です』
なんで、兄貴の言うことはすぐ聞くんだしーくん。…しーくんっていいな響き。
あれか、私の方が甘いことを知ってるのか。ほだされやすいと。…その通りだけどな!
「「あのー、勝負してくれませんか?」」
おー双子ちゃんが勝負申し込んでる。がんば。
………視線?
おぉ!?双子ちゃんこっち見てるんですけど。
え、周り、あれなんか人いないってことは…。
私か!
「一城、椎。ってなわけでいけるかい?」
ダブルバトルとかまじ初なんですけどー。みたいな。
『いつでも』
『…ばっちりですー』
「おーけーじゃ、やろうか。よろしくお願いします」
「「はい!よろしくです!」」
小さい子かわええなもぐもぐ。
「いけ!マネネ!」
「いけ!ウソハチ!」
あらま可愛らしいポケモン。私も知ってるやつだ。やったね。
全員位置についたところで、審判はいないけど始めようかね。
「始めていいかな?」
「「うん!」」
おー返事のよろしいことで。
「では、始め!」
「よっし、一城でダイレクトアタック!」
「な、なんですかその技…!?」
ただの電光石火でっす。なんとなく言ってみたかったシリーズ第1段。
「兄貴そのままアクアジエット、しーくん丸まる!」
一城のスピードは目がおうふってなるぜ。
動体視力ほすぃー。
「マネネ今です!ブイゼルにおうふくビンタ!」
「ウソハチはいわおとし!」
おっと全体技。
「しーくん、転がるで避けながらマネネに突撃!一城電光石火してウソハチに水鉄砲!」
『とりゃあですー』
やる気のなさそうな声だけどそんなんじゃないからな実際。大乱闘のプリン見てみ、あれめっさ速いから。
「兄貴、しーくんとどめお願いしまっす。
スピードスター、しーくんはウソハチにそのまま転がる!」
ドタン、と地に伏せるマネネとウソハチ。
おっし、しょーり。
…しかしダブルバトル、難しいなぁ。
[←][→]
top
[ 27/52 ]