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…ふう。何だかここ最近、歩いたり走ったり歩いたりして、私のおみ足はブロークンレッグだぜ。ふくらはぎな。ここ、重要。

「てか、なんかトレーナー多くないかい?」

エリートさんとか、双子とか。おっと初のダブルバトルフラグ。うわーマジでか。

『だって209番道路だもん』

『………』

一城、だもんとかつけるな。擬人化したらいいお兄さんな癖して。
あと椎、まだおやつタイムじゃないからそんな、無言で両手差し出したって駄目だからね!いつまでも流される私じゃない。

「椎くん、おやつは一日一回午後3時だけと言ったでしょう」

『………………』

み、見ないで、私を見るなぁ!
負けない。そこらへんきっちりとだよ、私。

「…め、めっ!」

…めっ!じゃねーよ自分!
なんだそれ、三歳児に言い聞かせるんじゃないんだからさぁ、もっとなんかあるだろ、なんか。考えろよ私。

『………』

駄目でした。

「にーに、バトンタッチですわ!」

をーほっほっほっ!敵前逃亡!仕方ないね。

『はいはい。しーくん』

『…はーい、です』

なんで、兄貴の言うことはすぐ聞くんだしーくん。…しーくんっていいな響き。
あれか、私の方が甘いことを知ってるのか。ほだされやすいと。…その通りだけどな!


「「あのー、勝負してくれませんか?」」

おー双子ちゃんが勝負申し込んでる。がんば。
………視線?
おぉ!?双子ちゃんこっち見てるんですけど。
え、周り、あれなんか人いないってことは…。
私か!

「一城、椎。ってなわけでいけるかい?」

ダブルバトルとかまじ初なんですけどー。みたいな。

『いつでも』

『…ばっちりですー』

「おーけーじゃ、やろうか。よろしくお願いします」

「「はい!よろしくです!」」

小さい子かわええなもぐもぐ。




「いけ!マネネ!」

「いけ!ウソハチ!」

あらま可愛らしいポケモン。私も知ってるやつだ。やったね。
全員位置についたところで、審判はいないけど始めようかね。

「始めていいかな?」

「「うん!」」

おー返事のよろしいことで。

「では、始め!」


「よっし、一城でダイレクトアタック!」

「な、なんですかその技…!?」

ただの電光石火でっす。なんとなく言ってみたかったシリーズ第1段。

「兄貴そのままアクアジエット、しーくん丸まる!」

一城のスピードは目がおうふってなるぜ。
動体視力ほすぃー。

「マネネ今です!ブイゼルにおうふくビンタ!」

「ウソハチはいわおとし!」

おっと全体技。

「しーくん、転がるで避けながらマネネに突撃!一城電光石火してウソハチに水鉄砲!」

『とりゃあですー』

やる気のなさそうな声だけどそんなんじゃないからな実際。大乱闘のプリン見てみ、あれめっさ速いから。

「兄貴、しーくんとどめお願いしまっす。
スピードスター、しーくんはウソハチにそのまま転がる!」

ドタン、と地に伏せるマネネとウソハチ。
おっし、しょーり。
…しかしダブルバトル、難しいなぁ。






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