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「服を買います」
「はい」「はいー」
「下着も買います」
「はい」「はいー」
「なので各自自由行動。30分暇を与えます。30分後一階ロビーに集合ね。さくっと終わらせてくるんでー。
では、解散!」
とりあえず千円ポンと渡しとく。こるなら椎も待ってる間お菓子でも食ってるだろう。一城は大人なので時間の使い方くらいわかってるだろうと勝手に期待。まあ私でも恥ずかしいと思う気持ちぐらいあるのでね。一人にさせてくれい。
パッといきました。わかりやすく表すと、
〜30分後〜
ってな感じである。
それにしてもヨスガ広いな。広々してるな。これぞ都会。コンクリートジャングル。
待ち合わせ場所である一階ロビーに行くと、きょろきょろ探す間もなく探し人が見つかった。だって目立つもの。
というかこの世界、色素カラフルだな。青とか赤とか普通なんだぜ?外国でもこんなんないわー。や、外国行ったことないけどね。
「ケイ」
おっと気付かれた。
「一城に椎お待たせ」
二人の元に駆け寄る。
『もふもふ』
椎は原型に戻ってパフェを頬張っていた。うまそうだなチクショー。
「はいおつり」
一城にちゃりんと367円を差し出された。び、微妙な額だなぁ…。
「いいよそのままとっといて。どうせ一城はなにも買ってないでしょ。こんな額だけど好きに使って下さいな」
「…ん、ありがとー」
ぐりぐりと頭を撫でられた。喜んでくれてるようで重畳。こんな少額な金で喜ばれるとは…いやいや、少額とか言ったら駄目か。呪われる呪われる。367円に呪われる。
「そうだ、いっそさ、バトルで得たお金は皆で山分けしようよ。生活費除いた分」
ピコーンとひらめいた。むしろこのひらめきが何故今まで浮かんでこなかったのか謎。
バトルして私がお金貰ってるけどさ、実際戦ってるの私じゃないし。ファイターじゃないし。どっちかといえば戦隊モノのいつも指令与えたりするやつ側だし。皆に行き渡るのは当たり前だよな、うん。
『ナイスアイディーア、ですねー。お菓子食べれるしー良いことづくめじゃないですかー。仲間って感じですー』
「……なかま?」
『当たり前じゃないですかー。こういうのってー、仲間って言うんでしょー?』
もふもふとパフェを頬張りながら、表情をちらとも変えずに当然のことのように言う椎。奇をてらわない、真っ直ぐな言葉。
「しーくん良いこと言った。すごい。素晴らしい」
椎の頭をなでなでしている一城に、無表情でパフェを食べながらそれを甘受しているしーくんをよそに、私は一人フリーズしていた。じわり、と小さくなにかが染み込んでいく感覚がしたけれど、すぐに解凍する。
「…椎かっけぇ」
椎くんの真っ直ぐさが羨ましいぜ全く。
自分もどさくさに紛れて椎の頭を撫でてみたら、すっげーサラサラでふわふわだった。なにこれすごい。
「よっし、帰ろうぞ皆の者ー。
突然ですが明日からズイタウン目指そうと思います。どーですかー」
「いーいでーす」『いーですー』
はい。賛成三票で議決。
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