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「と、ゆーわけで君の名前が決まったので発表したいと思われました」
『センシティブー?せんしてぃぶー?』
「多分…?」
そもそもセンシティブな名前ってどんなんなんだろうか…。
「椎」
『しー?』
「って感じなんですが、どうっすかね…?」
無表情。ピクリとも動かないお顔に早くも降参したくなる私。
しーん、と静まりかえる。
え、なにこれ。駄目なの?駄目なんですか?
助けて兄貴!と視線を向けたら微笑ましそうにこちらを見ていた。
…たすけは のぞめないようだ!
一城さぁぁああん!
「えー…、あのう、椎?」
『………』
「………………」
あべしっ!三点リーダの多さに撃沈。無反応は何よりのボケ殺しなんだよ!
『もっかいー』
ぽつり、無期の後に呟かれた言葉。
「………?」
『わんもあぷりーず、ですー』
もう一度、って"椎"を?
「………椎?」
「はいー」
良い返事だ。
これは、もしかして、もしかしなくとも、気に入って頂けたのだろーか。
相変わらず表情が動かないプリン…椎ではあるが、心なしか嬉しそう………だといいな!
『よろしく、おねがいしますー?』
またもや、唐突に繰り出されたジョブ。
…わかった。この子、不思議っ子なんだ。脳内の回路が不思議な繋がりなんだ。
「いえいえ?」
「こちらこそ?」
それでも、悪い子じゃないのは確かそうだ。
一城もにこにこしてるし先行きは大丈夫、かな。
しかし、何故疑問型で会話。
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