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何かの因果を感じないでもないが、流されるようにしてポケモン屋敷に来てしまいましたよ。
流石、
「屋敷とあって、でけー建物だねぇ」
しみじみ。
「さ、裏庭行って帰るぞー」
そのあと、その辺の嬢様坊っちゃんから金をむしり取りました。ほくほく。
「何してるんだ?」
「荷物整理。最近物が増えたからねー」
人様の家の庭で堂々とごちゃごちゃと店を開く私。とっても交通の邪魔だったが、周辺に人が居ないのでよしとする。
あれ要らないそれ要るこれ要らないとごちゃごちゃの中でもちゃんと区別しているのだけど、傍目にはバックの中身をぶちまけたようにしか見えない。…けど気にしない!
それにしても、いらない物がちょいちょい増えてきたなぁ…。モンスターボールなんて買うんじゃなかった。かさばるよ、これ。
………閃いた。
12番、ケイ選手はおもむろに置いてあったモンスターボールをじろじろと眺めたかと思うと、ぐわし、と掴み上げ腕を振りかぶって───
「ちょっと待ったストップ」
がしり、とその腕を一城に掴まれた。
「え、何するの一城。セクハラで訴えるよ」
「腕を掴んだだけでセクハラとはこれだから最近の娘は。というか何しようとしてるんだケイは」
「要らないゴミを処分しようかと」
「いやいや。当然のように不法投棄しないの」
いや冗談のつもりでやってみたんだけど案外本気で止められてしまって引くに引けなくなってしまったな。
それにしても一城さん、ノリノリですね。
「だって荷物重いもん。少しでも減らしたいもん」
「もんとか言っても可愛いだけだからな。譲歩はしないからな」
ぎぎぎぎと地味な攻防を繰り広げる私達。
気合一発、ケイ選手がとりゃあ!と腕を捻り、一城の手から逃げ切ることに成功したその時。
「「あ」」
力がこもったその勢いのまま、ボールはわたくしの手からぽーんと飛び立っていってしまったのでした。おやおや巣立ちの時が来たのかい?
ボールは綺麗な放物線を描き、終着点に居た野生のポケモンにクリティカルヒットした。赤い光。あれ?
「「あ」」
そしてモンスターボールは、大した抵抗も無く、っていうか全く揺れずにすぐランプの点滅が終わった。
「え、」
げ、ゲットだぜ…?
驚きに固まる私達。
大人しくなったハズのボールがボムコーンと音を立てて開いた。
『捕まっちゃったでゲスー』
えええ何その口調。ていうか、プリンー!?
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