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…ここがフレンドリィショップか。
屋根青いし、看板にそう書いてあるから、間違いないな。

「さてと、何が要るかなー」

「とりあえず傷薬、毒消し、麻痺治し、モンスターボールは常備じゃないかな」

確かに、初期には欠かせないアイテムだよね。最後らへんはHP増えるし金が溜まってくるから満タンの薬とか回復の薬とか何でもなおしを利用してたけど。

「じゃあ、傷薬×5、毒消し×3、麻痺治し×3、モンスターボール×3。
…ていうかモンスターボールって3個も要る?」

「念には念を、だよ。
何時どんなことが起こるか分からないんだから持っておいて損は無いよ。備えあれば憂いなし」

一城が言うと何かとてつもなく説得力があるような気がするから不思議である。
金が減るのが痛いな。
初期はお金、つらいんだよねぇ…。
野生のポケモンはお金持ってないし(当たり前だが)毟り取るのはトレーナーからだからね。なんちゃらみたいにモンスターも金持ってればいいのに。まぁ、そうなると金目当てに乱暴し過ぎる人とか出てきそうだけど。
勝負に勝ったらお金もらえるとか、最初すっごい気まずかったよな…。だって、所持金の半分だよ?短パン小僧とかからお金貰うの申し訳ない気持ちになる。
でもこの世界のルール?っていうか常識?なんだよなカツア…げふんげふん。
勝負に負けたら、お金を渡す。それが当たり前だから、疑問に思わない。
いやあ場所によって常識って違うんだなあってことを本当に実感した気がするよ。

「そういえば一城一応まだゲットしたことになってないんだっけ。」

『うん、だからちゃんとボール買うこと』

「はーい」

いっきいちおう…諺っぽい。
そういえばいきなりトリップして、変わったとことかな…あ、でもポケモンと喋れるか。その位の付加だけで持ち物とか服装は何一つ弄られてない。当然容姿も。前と変わらない素の私です。かといって美人になったり色チェンジしたらそれはそれで嫌だけど。

「よし、こんなところで良いかな。どう一城?」

色んなものが入ったカゴを確認して貰うために見せる。

「そんなところで大丈夫だよ」

一城さんのお墨付きです。やったね。





ありがとうございましたーというショップの店員さんの挨拶を受けて、私達は外に出た。

「では、早速ゲットしたいと思います。一城さん、原型よーい」

「いえっさー』

手に汗握る。緊張してきた。
なんせこれが始めてなのだ。ポケモンゲットするの。当たり前だけど。
と、ととりあえず、一城に当てればいいんだよな。ボールを。え、どこに。
額にあてればいいか…?
おずおず、こつん、とボールを一城の額に当てる。
赤い光が出て、一城の身体がボールの中に入っていった。

…ゲット、できた?
おぉう、実感湧きずらいな。でもこんなもんなのかも。
こころなしか、買った時よりずっしりと重みが増したような気がする。

「ポケモン、ゲットだぜ」

これは言っとかないとな。
相槌が無いのが寂しいところだが、生憎私の肩に電気ネズミはのっていないので、仕方ない。






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