あなたの思考は少し可笑しい
2013/01/23 09:30
ヤンデレを悉く交わして真人間にしようキャンペーン。最終的にちょっと嫉妬深いだけぐらいになるのがベスト。
ヤンデレなるものがいつできたか知りませんが、実際イケメンだろうがなんだろうがヤンデレって恐いと思うのです。
自分の行動を知られてるとか、なぜか個人情報を知ってるとか、他人と話してただけで激しく嫉妬されるとか、いつもべったりされるとか、お前めんどくせえな!ってなるわけですよ。
勿論ヤンデレは嫌いじゃないです。むしろ大好物ですが、最近ちょっと食傷気味でして。
ちょい毛色が違うのを求めてしまうのも人間の心理というかなんとか。
というわけでヤンデレフラグを回避してく内にヤンデレがまともになる話が見たいです、先生。
「で、どうして止めたんだ?ストーカー」
しょんぼりとしている友人を見る。
めっきりストーカー活動をしなくなった近頃友人は、代わって項垂れていることが多くなった。
これまでは、ケータイをいじってると思いきや"彼女"に執拗にメールを送り続けていたり、明らかに隠し撮りとわかる画像がパソコンのファイルを埋め尽くしていたり、その他エトセトラエトセトラ。
要するにこの友人、ストーカーだった。多分重度の。
中学からの付き合いのため、こいつのことはまあまあ知ってる方だと思ったのだが、それは勘違いだったようだと、ストーカー活動にいそしんでいる友人を見て遠い目をしたものだ。あ、空、曇ってる。
ちなみに俺はそんな数々の行動を見つつ、ヘーソウナンダーと友人の話を聞くだけの簡単なお仕事に徹していた。見て見ぬフリ?あはは、なんとでも言え。俺はストーカーは恐いということを学んだんだ。
「…俺が彼女を嫌ってるなんて思って欲しくなかったんだ」
覇気なくぽつりと言う友人に、はあ?と思わず聞き返してしまう。
事の顛末は、こうだ。
ストーカー行為を続ける内に、友人は、"彼女"に自分を認識してほしいと思ったらしい。
そこで、奴は"彼女"の自宅に入って、"彼女"を待っていた。
当然知らない男が部屋にいたらビビるわけで、"彼女"は悲鳴をあげたらしい。正しくは、あげ損なった、だが。友人は急いで"彼女"の口を塞ぎ、好きだ、愛してますと告白した。
"彼女"は連日のストーカー被害の加害者がこいつであることに気づき、更に抵抗した。
友人は、どうして俺の気持ちを受け止めてくれないのかと嘆き、俺を認めてくれないのなら君を殺して俺も死ぬ、となり、予め持っていた果物ナイフを突きつけたらしい。
そこで"彼女"は叫んだ。
『好きだなんて、嘘にしか思えない!ストーカーして、勝手に家に侵入して、刃物突きつけて、それでどうして私のこと好きだって思うの?思うわけないじゃん!本当は、私のことが嫌いなんでしょ!?だから私が嫌がることばっかするし、私のこと殺そうとするんでしょ!』
…ぐうの音も出ないとはこのことか。
というか待ってくれ、突っ込み所、ありすぎだろ。
友人、お前なぜ家の中で待っていた。いやそもそも、なんで家に入れた。不法侵入か。騒がれたから口塞ぐって思いっきり犯罪者じゃねーか。そして果物ナイフなぜ。なぜ持ってきた。要らないだろうよ、おい。
想像以上に友人が病んでいた。そろそろ想像を越えてくれるな。ギャップって所じゃねーぞ。
「俺は彼女が好きなのに、彼女は俺が彼女のことを嫌いだって言うんだ」
泣きそうな顔で友人は言った。
言っておくがこの友人、イケメンである。よって今みたいな情けない顔でもイケメンなのである。この顔だけイケメンが。
でもまあ、好きな奴に『貴方は私のことが嫌いなんでしょ』と言われるのは辛いだろうなあとは思う。自業自得極まりないが。
「…まあ、今までは匿名性すぎてわからなかったんだろ。数より質だ。これからは自分を認識されるように頑張ればいいんじゃないか?今までとは違う方法で」
どう考えても友人の想いが実る可能性は低すぎた。が、この誰からも非難されそうな行いをしてきた友人を、せめて俺だけは応援してやろうと思う。
友人、何するかわかんねえし。改めて考えると恐え。平気で刃物持ち出しちゃう奴って…。
友人
ヤンデレストーカー。鳴かぬなら、監禁しようホトトギスな典型的病んでる人。イケメン。しかし運動も勉強も普通。天は二物を与えなかった。
俺
ヤンデレに干渉しない程度の距離で見てる人。運動も勉強もさらりとこなすフツメン。神は二物を与えなかった。
彼女
ヤンデレストーカーの被害にあっている。ヤンデレの考え方が理解できない。
prev | next