有罪宣告(逆裁)
2011/12/26 21:37
案件<殺人事件>
依頼人:安立深空
被害者:齊藤弘
被告人:安立真海
「…以上です」
たった今、弁護士によって、完璧に立証された己の罪。反論の余地もないそれに、安立深空は無表情で俯いていた。
「何か、反論はありますか」
静まり返った空間の中、深空がぽつりと小さくこぼした。
「やっぱり、あなたに頼んだのは正解でしたが、最善ではなかったようです」
「深空さん…」
成歩堂は悲しげに、自分の依頼人を見つめる。
依頼人が犯人だったということは今までなかったわけではないが、正直深空が犯人だと認めたくないものだった。
しかし証拠や証言から導くに、今回の犯人が深空だということは決定的に明らかだったのだ。
「…あなたが言ったことは正しいです。私が、安立深空が、齊藤弘を殺しました」
齊藤弘。
今回の事件の被害者であり、安立深空と、被告人安立真海の叔父。
「あんな、あんな男を殺して、そのせいで捕まってしまうなんて。…嫌な、ものです」
苦々しく、細いがしっかりとした声で深空は言う。
「…あなたがそう考えたせいで、真海さんはあらぬ疑いをかけられてしまったんですよ?」
齊藤弘を殺した容疑で被告人として捕まえられたのは、深空の双子の姉である真海だった。
「………ええ。だから、私はあなたに依頼したのですよ、弁護士さん」
そうして深空は、悲しそうに眉を伏せた。
「私があいつを殺して、その後真海が捕まったと聞いた時は愕然としました。…犯人は、私なのですから。
私は焦りました。真海が捕まるなんておかしい。そんなの駄目です。だけれど、私があいつを殺したぐらいで捕まるのは嫌でした。
だから、噂に聞く弁護士―――あなたに依頼したのです」
そう言って深空は、真っ直ぐに成歩堂を見た。その目は殺人を犯したとは思えないくらい透き通っていた。
「話してみて、わかりました。この人ならば、真海の無罪を証明してくれると。
―――そして、私の有罪を突き止めてしまうだろうと」
「それなら、どうして」
「もちろん真海のためです。
…言っておきますが、私はあの男を殺したことを罪だとは思っていません。あんな最低な男、生きていること事態が間違ってると」
叔父の齊藤弘は、自分の姪達に虐待をしていた。これは、調査の段階でわかったことであり、被告人の動機にもなっていると思われていた。
「…それでも君がしたことは殺人だ」
「ええ、わかっています。姪に暴力をふるい、ましてや犯そうとするような男を同じ人間と呼ぶのだとしたら、殺人になるのでしょうね」
深空は、皮肉気に少し笑う。
「有罪判決を受ける前に言っておきます。
私が有罪なのは、あの男を殺したからではなく、真海が捕まった際すぐに名乗りあげれなかった馬鹿な自分に対しての、罰だと。そう、私は思っていますから」
とここまで書いてギブアップ。
簡単に説明すると、双子の姉妹とその叔父がいて、妹の方が叔父を殺したが姉の方に容疑がかかる→妹が成歩堂に姉の弁護を依頼→裁判(今ここ)
という感じでした。
主人公が完全に犯罪者な上双子ってネタはもう原作であるという。
あとトリックとかなんちゃらとか私の頭じゃ考えつかないので断念。
逆裁4で出所した主人公とのやりとりとか妄想したがやっぱり断念。
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