気づいたら隣で眠るナミさんの布団にもぐりこんでいて、細い背中を抱きしめた。
やっと触れることができた喜びに心が満たされる。
今までナミさんを守ってきたこの手は、本当はたくさんのものを奪いとってきた手。



「私はナミさんの全てが好き」


とうとう口にしてしまった。
伝えてしまった。






















そっとナミさんの家を抜け出して、自分の家に向かいながら私は涙を拭うことすら忘れて泣いた。



終わってしまった


私はナミさんが好き。
だけどナミさんはロビン先生が好きで。
交わることができなかった想い。
私じゃナミさんを幸せにすることはできないから。


視界が滲んで前が見えない。


悔しい気持ちがないわけじゃない。
むしろ負の感情が後から後から溢れて仕方がない。
けれども今まで秘めていた想いを全てさらけだして、肩の荷が降りたのも確かで。
なによりもナミさんは私が今までやってきたことをすべて受け入れて許してくれた。
罪悪感で汚れたこの手から目をそらさずにいてくれたから。


ナミさんは本当にロビン先生を想っているんだね。
それがあなたが出した答えならば。


ごめん、だなんて言わないで。
あなたは何も悪くない。
謝るのは私の方。
けれど、謝ってもナミさんはきっと苦笑するだけね。
だからたくさんの感謝を贈ることにする。
ありがとう。
ありがとう。

ナミさんを好きで良かった。
かたちが変わっても、これからもナミさんが好きだから。




溢れた涙を拭って前を見据える。

私は覚悟を決めたから。
ナミさんもどうか自分の信じる道を進んで。
まだ友達として必要としてくれるのなら、そのときは全力で支えるから。



ロビン先生を想うナミさんはとても綺麗で、私はそんなナミさんが一番好きだったの。








完全燃焼した恋心
悔いは無いから
昇華させた想いと歩んでいく










<あとがき>
ビビの心情。
失恋って悲しいけれど、それだけじゃなくて、得るものもたくさんあると思います。
多分登場人物の中で一番やさしい子。








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