かまってほしいだけ4


あれから早くもなんと二週間が経過してしまった。
自分から遠ざけた相手からはメールの一つだってこない。

本当は、別に3年の教室まで足を運べばいつでも会える。
けれど、行く勇気がない。
偶然で会ってしまわないように3年の階の見回りは他のメンバーに頼んだ。

なんで、僕はこんなことをしているのだろう。

会長に会いたい

隣にいたい

ただそれだけなのに。

くだらない嫉妬心からここまできてしまった。
関係を元に戻すためには自分から行動しなければならない。

謝りたい。
「ごめんなさい」と、面と向かって。


僕は勇気を振り絞り、放課後生徒会室に会長を呼んだ。

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会長席でまっているとなんとなく落ち着かなくてソファの方に体を預けていた。
はぁーっと大きく息を吐いて呼吸を落ち着かせる。
大丈夫。
平気だから、落ち着いて。
そう自分に言い聞かせて扉をを見つめた。
と、扉の前に影がうつった。
・・来た。
がらりと扉が音を立てる。とっさに目をそらしてしまう自分が嫌になる。
「あれ?椿・・お、おおそこにいたのか。なんんだよ自分の席にいると思ったからいねーと思っただろ」
自分の姿を見つけた会長がゆっくり近くによってきて隣に座った。
その距離がいつもとかわらない密着率で、嬉しいはずなのに別の意味でドキドキしてしまう。
「椿・・」
「は、はい・・」
「こっち向け」
小さな声で呼ばれ、僕はそっと会長と目を合わせた。
久しぶりに見た貴方の顔は驚くほどに穏やかでした。

「おいで」

喉から込み上げてくる痛くて熱いものを抑え込み、僕は優しく広げられたその腕の中に飛び込んだ。
首に両腕を回してそこに顔を埋めると相手の腕が僕の背中と頭に回され強く抱きしめられた。
「椿」
優しく名前を呼んで何度も何度も頭に触れた手がそこを往復する。
心地よくて、涙が止まらなかった。
子猫のような涙声をこぼして甘える僕の体を離して会長は再び僕と目をあわせた。
「まったく・・とんだやきもちやきだなーおめぇーも。」
「ぅ・・ひっく・・ぁ・・かいちょ・・ごめんなさ・・」
「何が、そんなに嫌だった?」
「会長が・・他の人とばかり話してて・・僕・・」
「うん。もういい。俺もごめんな」

お前の気持ちに気付いてやれなくて。

「もう、こんな思いさせないから・・な?」
「・・・はい。」
「お前も、いつでも言いたいことがあればちゃんと言えよ?」


「誰とどうしてたって俺にとって一番大切なのは、お前なんだから」

こうして、僕たちは元に戻った。

重ねられた唇のぬくもりに世界で一番の愛を信じて。



FIN

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椿さとみさんからの相互リンク記念・リクエスト小説でしたー!
私の『安椿希で安形が希里をいじり過ぎて、それに嫉妬する椿ちゃん』と言う無茶振りのリクエストにも関わらず、素晴らしい小説頂いてしまいまして!
にまにまにまにま…(略)…しながら読んでました。ありがとうございましたーっ!!

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