かまってほしいだけ3


さっきの出来事からどれくらいたったのだろうか。
5分や10分だった気もするし1時間くらいたったような気もする。

自分は大切な人に最低な言葉を吐いた。

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この少し前。

胸ポケットの携帯がいきなり鳴ってどきりとした。
画面を開くとそこにははっきりと「安形惣司郎」の文字があった。
うるさいコール音を数秒ききながらしばらくその場面を無言で眺めた。
すげー心配したぞ!何かあったのか!
そんなことをいってくれるのではないかとほんのり期待して通話ボタンを押した。
「もしもし。」
「椿か?・・お前最近元気ないって?」
「・・・・・」
「どうしたんだよ。ここんとこ顔も見てねーし。」
「・・・・・」
「ん?どうしたんだよ、さっきから何もいわねーで。椿ぃ?」
「会長なんで・・その・・僕の・・」
「あ?ああ、キリからお前が元気ないって聞いてよ。それなら俺に相談すればいいのにっておもっ「誰に?」
「あ?」
「誰に聞いたんですか?」

汚い。

「だからキ・・あ!」
「僕の知らないうちに名前で呼ぶような関係になっていたんですね。」

汚れた感情。

「違っ!そんなんじゃねーよ!」
「でも!実際会長はキリと仲良く話してて僕と話してくれなかったじゃないですか!!」
「はぁ!?お前最近俺と会ってなかったじゃねーか!」
「会長が会ってくれなかったんじゃないですか!」

違う。
避けていたのは僕の方。

「あなたが」

この先はいっちゃいけない。

「あなたがキリと会ってばかりいるから!」
「椿・・・お前」
「そんなにキリと一緒にいたいならそうすればいいじゃないですか!」


どろどろと。
崩れた感情は僕の意思とは関係なく電話のボタンを押し、耳にはツーツーという音だけが響いた。

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