かまってほしいだけ2


ほかにまだ仕事があるからと僕は一人でこの場に残った。
誰もいない生徒会室の中で僕はぼーっとしていた。

寒い

今日は夕方から冷え込むと、朝のニュースで言っていたっけ。
少し前まではこの席であなたは僕の事を温めてくれていた。
何も言わなくたって、前から強く強くその腕で抱きしめてくれていた。

寒いのか?

「寒いです。・・寒いですよ会長・・」

体が?

違う 

心が。

寒くて痛くて。

そんなことを思っていると廊下から聞こえてくるのは前回の光景がフラッシュバックしたかのような・・

「キリ!」
「うるせーな!名前で呼ぶなよ。」
「なんでだよ、他のやつは呼んでんだろ?」
「生徒会のやつらだけだ!」
「俺もそうなんだけどな」
「あんたは元だろ!」
「ま、そうだけどよ。」
「ふん、どーせろくに仕事なんてしてなかったんだろ。」
「あー、まぁ・・」
「椿様が副会長の時はさぞ苦労なされたに違いない・・・」
「そういえば最近椿にあってねーな・・元気か?」
「いや・・最近はなにかあったのかよく考え事を・・」
「ふーん・・じゃああとで電話でもしてやるかな・・じゃあなキリ」
「だから名前で呼ぶなっつってんだろ!」
「かっかっか」

互いに別々の方向に足を進める足音がした。

あとで電話でもするかな。

先ほどの会話内の内容の一部が心を震わした。
自分が不調だということを聞いて心配してくれている。
けれどキリともあんな風に楽しそうで・・




このあとすぐにかかってきた会長からの電話。
そのときに吐いてしまった言葉に僕はひどく後悔することになる・・・

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