Log1

「・・・椿」
「んんっ・・・は、い・・・」
 名前を呼べば、喘ぎながらも従順に返事を返す、人形。今も安形の言葉通りに白い肌を晒し、涙ぐんだ瞳を固く閉じて大きく脚を広げている。命令通りに下着を脱いで広げられた脚の間では、安形が戯れに玩んだものが、軽く勃ち上がったまま放置されていた。それは外気に震えながら、白い涙を流している。安形の手は現在、椿の胸の飾りに伸びて、ゆっくりとした刺激を与えるだけだった。
「椿、なぁ・・・」
 安形の指が赤い突起からすら離れ、快楽を失って羞恥だけが残った身体が、瞳を開いて安形を見据える。涙に揺らめく琥珀の中に、安形の顔が逆さまに映った。安形の視線が這う身体は生徒会長の机の上に投げ出され、薄く色付いた白い肌を隠すのは腕に申し訳程度に残ったシャツだけで、何も纏わぬ震える下肢は唯一の出入口に向けられている。安形の手が顎へと伸び、白い咽を指先でなぞった。
「オレさ」
「は・・・いっ・・・・・・」
 返事をしながらも指先の小さな刺激に熱い吐息を漏らす唇に、軽く唇で触れる。いつもと違う角度の口付けが、酷く興奮を誘った。普段は触れ辛い部分に舌で触れれば、乱れた息が熱を増す。それを乱すだけ乱し、自分の心と身体を高揚させた後、安形は唾液が糸を引く舌を顎から頬へと這わせ、耳元に辿り着かせた。
「鍵、掛け忘れた」
「っ!」
 びくん、と椿の身体が跳ねる。誰かがドアを開ければ自分の痴態を見られる恐怖に、椿の指が震え、爪が小刻みに机に当たる音が響いた。その音と姿に、安形の目に悦びが浮かぶ。
「真面目な副会長のこんな格好、見たらみんなどう思うんだろうな」
「やっ・・・ぅ・・・」
 小さく首を横に振って、椿は涙を溢れさせた。その涙が、安形の何かを潤していく。そのまま安形はまた、椿、と名前を呼んだ。
「どうして欲しい?」
 散々叩き壊した心にも残る羞恥を踏み躙る言葉に、椿の眉が歪み、唇が噛み締められる。それでも安形が教え込んだ通り、やはり従順にその唇は震えながらも安形の求める答えを搾り出した。
「い、ま・・・すぐ、会長ので、犯してくだ・・・さ、い・・・」
 未だ消えない羞恥に、言葉の最後は喘ぎにも似た嗚咽混じりのものに変わる。それが心地良くもあり、けれども安形の心の奥に痛みを生んだ。
「分かった」
 安形は指を椿の口内に入れ、唾液を絡め取る。十分に濡らしたそれを、不十分な快楽に反応したものの奥へと滑り込ませた。これからの、行為の準備の為に。
「お前のして欲しいように、してやるよ・・・」
「あっ、ああっ・・・んぅ・・・・・・」
 安形の指の与える痛みと快感とに、椿の口から甘い声が上がる。それを聞きながら、安形の心には快感と痛みが走っていた。

Clap!【基本R18】

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