みにまむっ!6

家に帰る途中、高尾も起きた。

『あ、起きた』
「んーおはよー」
『まだ小さいね』
「わぁ!まじかよ...」
『とりあえず家に連れて帰ることにしたから、後で家に連絡してね』
「あれ、俺の荷物は?」
『持ってます』
「ありがとうございます!」

正直いつまでも手の平に乗せとくのは何かと不便である。
仕方ない...

『高尾』
「んー?」
『バッグの中と、制服の胸ポケットどっちg「胸ポケ!」...返事はや...って!勝手によじ登んないでよ!』

奴は勝手にあたしの手を登ってポケットに収まった。

「ふーおちつく」
『はぁ....おとなしくしてよ?』
「頑張りまーす!」

そして家に帰って、夜になっても奴はもとには戻らなかった。
お母さんとお父さんはまた旅行に行ってしまったので丁度よかったのかもしれない。

『明日は戻るかな?』
「どーかなー」
『なんか小さいのもいいけど、大きいほうがいい』
「....冬華ちゃん!」
『たたきやすいし』
「ねぇ、俺のトキめいた心を返して」
『やだ』

夜になって寝る時間になったから枕元に高尾を置いて寝ることにした。
踏み潰しませんように.....

明るい光が差し込んできて、あたしはそれで目を覚ました。
「おはよ、冬華ちゃん」
『んぅ....高、尾?』
「あーやっと触れたー」
『もとに戻ったんだ』
「そー!起きたら戻ってたー!」
『そっか、おかえり?』
「ただいま!...って素直でかわいいっ!」

もとに戻ってきてくれてすごく嬉しいし、抱きしめてもらえて幸せだなって思ったけど
絶対こいつには言わない。

でも今は寝ぼけてるってことで、少しだけ甘えてやる。

『和成』
「へ?!」
『ぎゅー』
「する!させてください!」

おかえりなさい。

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