みにまむっ!

バレンタインも終わって数日後。
"送って帰るから待ってて!絶対!"っていう騒がしい彼氏に
腕を引かれてバスケ部の部室に入る。

ねぇ、あたし一応女の子ですよ?
男子が着替えてたらどうすんのよ。

まぁこの日は運よく誰も着替えてなくて、部室にはタロ助が一人で何か悩んでいた。

「しーんちゃん!」
「何だ」
「何、悩んでんの?」
「赤司から送られてきたのだよ」
『征から?...てか怪しすぎでしょその液体』
「真ちゃん飲んでみれば?」
「絶対に嫌なのだよ」
「じゃあ冬華ちゃん」
『飲むと思う?お前が飲め』
「きゃ、冷たい。んーなんか好奇心で飲んでみるよ俺」

バカだこいつ。
とりあえずあたしは奴に手を合わせた。

「こんにちはー!」
『お姉ちゃん!?宮地さんも...』
「今日登校日だったんだよ」
『あぁ...』
「和くん何飲んでるのー!?」
「真ちゃんからもらった奴っす!」
「飲みたい!」
「『だめ!』」

お姉ちゃんはどうしてすぐこういうのに引っかかるんでしょうか。
将来が心配でたまりません。

「やだ飲む」
「じゃあ俺が毒見してやるよ....」
「わーい」
『わーいなの?』

そして宮地さんも男気を見せて飲んでしまった。

『はー死なないといいけどねー』
「物騒なことを言うな」
『そういえば、バカ尾は?』
「隣にいるのだよ」
『は?いやいやwタロ助眼鏡おかしいんじゃない?』
「おかしくなどない。そのあだ名はどうにかならないのか?」
『ならない。てか高尾いないじゃん』
「だから横にいるのだよ」
『いないって!』

隣を見てもどこをみても高尾はいな....うん、今のは幻覚だよね。
今ベンチに座っているあたしの手もとに何か小さいのがいた。

「冬華ちゃーん!」

心なしか声も聞こえる。そう、これが幻聴。
あーあたし疲れてんのかなー。

「わわわ!清志くん小さくなっちゃった!!」

うん、こんなことあり得るのは二次元だけで....

『って!痛い!』

手元を見ると、小さい...小さい高尾があたしの指をかんでました。

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