文化祭7 [ 10/16 ]
『き、清志くん?』 「...ったんだよ」 『へ?』 「何枚もらったんだよ、連絡先」 『え、なんで知って「いいから」...ちょっと待ってね』
何でしょうかこの状況。 人気のない階段のとこに連れてかれて、壁ドン? 身長差ありすぎて、覆いかぶさられてるようなもんですが....
ポケットからもらった紙みたいなの数える。 わ、5枚以上ある。
『こんだけ』 「....はぁ」
え、溜息?なんで?
「お前こんだけ友達増えるとか思ってたりしてねーだろうな」
すみません、思ってました。
「あのな」 『うん...』 「お前はだいたい注意力つーか警戒心がなさすぎんだよ」 『え?』 「連絡先もらうってことはナンパされてんのと同じなんだよ、わかるかアホ」 『まさかー。私がナンパ?されるわけ「あるんだよバカ」...ないです!』
でも、清志くんだって今日いっぱい女の子にべたべたされて声かけられて 見てた私すっごく傷ついて。 私の人なんだよ、彼氏なんだよ、って言いたくても言えなくて。
なんか一人で考えてたら涙でてきて止まらなくて。
『うっ...ぐすっ....』 「は?ちょ、春華?」 『ぎ、清志くんのバカっ、アホっ、パイナップル』 「最後のは関係ないだろ!」 『清志くんだって!女の子から...私よりかわいい子からいっぱい...べたべたされて!声かけられて、ちやほやされて!私の気持ちなんてわかんないくせに!ばか!』
清志くんどんな顔してるかな、怒ってる?あきれてる? こんな彼女なんて嫌って思ってるのかな、もうダメかな。でも涙も悪口も全然止まらないんだ。
『ずっと、清志くんはっ春華の人なんだよって!彼氏なんだよって!触らないでって言いたかった!...でもっ、お仕事中だったから言えなかったし、邪魔したくなかったし、苦しいよ...どうして春華だけこんな思いしなきゃいけな..っ!』 「...わりぃ」
いきなり清志くんにぎゅーってされた。それも強く。
『苦しいよっ....清志くんは春華のなのに...うぅ』 「俺だって苦しかったっつーの」 『うそつき』 「嘘じゃねーよ」 『証拠はー!』 「ガキかよ..仕方ねぇな」
そういうと清志くんは見えるとこにき...キスマークとやらをつけていきました。
『...見えるよ?』 「見せつけてやるんだよw」 『私も』 「は?」 『私も...清志くんにつける』 「はぁ///!?」 『いいでしょ?』 「...どーぞ」
そして私たちはお揃いの場所にお揃いの真っ赤な印ができました。
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