03 "すいません、今日遅れます。" 真面目な彼は、せめて自分の生活費くらいは出したいそうで、 よく学校終わりにバイトをしている。 今日もシフトが入ってるそうで連絡をしてくれた。 彼氏は養えるくらい稼いでるのに... こういうことを遠まわしで伝えたら、嫌ですって即答された。 本当真面目な彼氏さんだ。 私も今日は打合せで遅くなりそうだったから連絡した。 『あとちょっとで終わります...っと』 「なになに〜?彼氏?」 『中原さん!お疲れ様です!』 「おつかれちゃん。まさか双花ちゃんに彼氏いるとはね〜」 『それが5年前くらいからいるんですよ〜』 「長っ!」 『えへへ...』 「じゃあ早く帰らなきゃね」 『い、いえいえ!仕事優先してくださいって言われてるんで!』 「いいよいいよー!もう今日はほとんど終わったし帰りな?」 『...ありがとうございます』 ビルを出ると、見慣れた顔の彼が立っていた。 「お疲れ様です」 『お疲れ様。ごめんね、いつから待ってた?』 「今さっき来ました」 『お姉さまがコーヒー奢ったげる』 「や、悪いd『じゃあ今日の夕飯は赤葦くん一人で作ってね?』...いただきます」 『素直でよろしい』 さて、愛の巣(笑)へ帰りましょう。 [*前] | [次#] ページ: |