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一体どれほど寝ていたのだろう。
寝ていたおかげか少しだけ楽になった気がする。

もう一度リビングに行くと、誰もいなかった。
それもそうだ。彼は今大学に行っているのだから。

いつの間に作ったのだろう、テーブルの上には
"薬飲まないといけないから食べるように"ってお粥が作ってあった。

『さみしいよ....』

熱があるせいだ。
一人でさみしい気持ちを少しでも紛らわすために、こっそり彼の部屋に入る。

ごめん、と心で謝って布団の中に潜り込ませてもらう。
ストーカーみたいだね、って笑って目を閉じる。

『会いたい』

呟いた言葉は咳と共に消えた。





「双花、双花」

声をかけられて、揺さぶられて目が覚める。

『京治くん?』
「ただいま」
『おかえり』

寝ぼけているってことにして抱き着いてみた。

『勝手にお布団借りちゃった』
「気にしないで」
『さみしかった』
「ごめんね」
『んーん』

優しく抱きしめてくれた後、彼は私と一緒に布団の中に。

「体調どう?」
『お粥美味しかった...今はそこまでないよ』
「よかった」
『ぎゅーして』
「もちろん」

苦しいくらい抱きしめられて、キスをされた。

『風邪移るよ』
「双花の風邪なら大歓迎」
『じゃあその時は私が看病する...』
「うん、楽しみ」
『うむ...』
「もっかい寝よっか」
『うん...』
「おやすみ、双花」
『おやすみ....』

翌日元気いっぱいの私と、だるそうな京治くんがいた。


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