13 時が経つのは本当に早いものですね。 3月になりました。 「俺、4月から小学校の先生になります」 『...は?』 いつも通りご飯を食べていた時、突然言われて思わず箸を落とした。 「汚い」 『ごめん...じゃなくて、え???』 「いや、え?」 『え、来月も大学生でしょ?』 「....俺卒業しましたけど」 『あ』 そうでした。 ついこないだ彼は大学を卒業したのでした。 『はぁ...年とったなぁ』 「そうですね」 『失礼だなお前』 「あはは」 棒よみで笑いやがった。おばさん泣きそう。 『嫁の貰い手ないなー』 「双花は俺が嫁に貰いますよ」 『へ?』 「子供の名前も考えないとですね、ごちそうさまでした」 『....は?』 彼は机の上に一つの箱を置いて、席を立ちあがった。 そして何もなかったように部屋に帰って行った。 置かれた箱の中身を知るのは私がご飯を食べ終えてからのお楽しみ。 ------右手の薬指にはめた指輪。 ((翌日同じ指輪が彼の首にネックレスとしてかかっていた)) [*前] | [次#] ページ: |