11 『〜♪』 「ご機嫌ですね」 『えへへ〜』 本日2月14日。そうバレンタインです。 今日は運が凄くよくて、一日オフ!やったね! 『京ちゃん見送ったらもっかい寝る』 「昼まで寝たらだめだよ、双花ちゃん」 『赤葦くんのちゃん付けなんて、なんか新鮮!』 「そうですね」 『今日バイトは?』 「ないです」 『じゃあ早く帰ってきてね!』 「もちろんそのつもりですよ」 『よし!行ってらっしゃい』 笑顔で彼を送り出す。出すはずだったのに.... 『なぜ動かない赤葦京治』 「行ってきますのチューは?」 『そんなオプションついてません』 「いくらですか」 『金払ってまでしようとするな』 「嫌です」 『なんて奴だ!』 「してくれないなら双花さんから離れません」 『講義あるでしょ!』 「受けません、落ちます」 『なにそれ!私のせいみたいじゃん!』 「そうです」 『恐ろしい子!』 「さぁ早く」 『そして俺様!』 玄関と廊下は少し段差があるので、私と京治の身長差はほぼない。 彼は抱き着いたまま一向に動く気配を見せない。 『京治』 「なんですか...っ」 『ほら、早く行かないと遅刻するよ』 「はぁ...」 『なんで溜息!』 「帰ったら覚えておいてくださいね」 『は、早く行けー!』 リクエストにお応えして口にチュってキスしたら 頬にちゅって返された。 本当に恐ろしい子、赤葦京治。 [*前] | [次#] ページ: |