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家に帰ると彼はまだ帰っていなかった。
直に帰ってくるだろうってことで夕飯を作り始めた。

『終わった....帰ってこない』

携帯を開くけど連絡なし。おかしい。
どうしよう...事故とかに遭ってたら....。誘拐されたりしてたら....。

嫌なことばかりが頭をよぎる。
髪を切って気持ちもリフレッシュしたはずなのに。
あぁ、なんだか視界までかすんできた。

『京治ぃ...』
「...なんですか?」
『....!?』

ソファーに一人で小さく縮こまっていたら、後ろから抱きしめられた。

『あったかい』
「そりゃ生きてますから....」
『うぅ...おかえり赤葦くんっ!』
「ただいまです」

振り返って抱き着くと、彼は私を抱えあげた。

『連絡しなさいよー』
「木兎さんたちに拘束されて出来ませんでした」
『アイツ...今度シめる』
「はい、どうぞ」
『うぅバカ赤葦ぃ〜』
「すみません。もう泣かないで」
『泣いてないし』
「あ」
『...ん?』
「髪切ったんですか?」
『今頃ですカ?』
「....です」
『ほい?』
「やっぱり可愛いです」
『...ありがとうございます...』
「ってことでチューしていいですか」
『それが言いたかったんでしょ』
「はい」
『...どうぞ』
「はい」

おかえり、大事なあなた。





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