09


あの時以来、赤葦くんのジャージとか要らない服は私が着るようになった。
今日は入らなくなったスウェットを着用している。

『最近髪うざくてさー』
「着るんですか?」
『うん、ばっさりボブにしようかと』

ヘアカタログを眺めていると、洗濯物を畳んでいた彼は
何やら真剣な顔で何かを考え始めた。

「嫌ですけどそれで双花さんがいいなら許します」
『また悩んでたことどうでもいいね』
「これのどこがどうでもいいことなんですか!?」
『うぇ!?』
「双花さんのボブなんて今まで見た事ないですけど」
『う、うん』
「今より髪が長い双花さんは天使ですから」
『24のババアに天使はないかな...』
「え、全然いけますけど」
『何て奴や...』

そして翌日、本当に髪をばっさり切らせていただいた。
めっちゃ軽い。ついでに髪色を前より少し明るい茶色にしてもらった。

さて、家に帰ろう。彼はどんな反応かな?


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