03


そしてついに高校を卒業して、春からは大学生に。
東京に行きたくて仕方がなかった大学に進学することになった。

大学の近くにアパートを借りて、一人暮らし。

『よーし!これから頑張るぞ!』

窓を開けながら鼻歌を歌っていたら、すぐ近くのお向かいの家に誰かいた。
あ、格安だったから入ったけどここ訳あり物件だった...

恥ずかしい...そう思い窓を閉めようとしたとき自分の目を疑った。

「え...?双花?」
『あ...赤葦くん?』

彼氏である彼に東京に来ることは内緒にしていた。
だってサプライズ楽しいじゃん!!!

「え、待って、なんでいるの?」
『え、あ、あの...おやすみなさい!!』

とりあえず部屋の窓を思いっきり閉めた。ちなみに今はまだ昼だ。
そのあと彼からの鬼のような着信と、家まで押しかけられたので全てお話した。

「えーと双花さん」
『は、はいっ!』
「春からここから近くの大学に通う...でいいんだよね」
『はい、申し訳ございません』

なんか赤葦くんから邪悪なオーラが漂っていたので
かなりの速さで土下座した。

「顔あげて?」
『や、村人Aなので...!』
「双花?」
『ひゃ、ひゃい!!』

バッって音が付きそうなくらいの速さで顔をあげると
何故か嬉しそうな顔をした赤葦くん。

『ど、どうされました...?』
「なんかうれしいなって」
『.....な、なにゆえ....』
「だって俺もそこの大学だもん」
『....はい?』
「だから、俺も双花さんと同じ大学で勉強するって話」
『...えぇぇぇぇんぐh!』
「声大きい、しー」
『は、はい...』
「これからよろしくね」
『は、はいっ!こちらこそ!』

そして次の日の入学式の朝。

「おはよう...って今起きたの!?」
『...ん、今何時でしゅか...』
「8時」
『へ!?』
「て、手伝うから早く準備して!!」
『ひゃ、ひゃい!!!』

お母さん....じゃなくて彼氏の赤葦くんに起こしてもらって
ぎりぎり入学式に間に合いました。

「俺来なかったらどうしてたの...」
『い、一応起きてましたよ?』
「嘘おっしゃい」
『あだっ』
「どうしてたの?」
『遅刻してました。ありがとうございました...このご恩はいつか...』
「じゃあ今日は双花さんの手料理が食べたいです」
『...ぜひ我が家にいらっしゃってください』
「喜んで」


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