はじめから

彼と私が出会ったのは高校生の時だった。

その時付き合ってた彼が野球部で
たまたま試合を見に行ったときに

「え、倉持の?彼女?」
『あ、うん』
「へぇー」
『な、なに?』
「俺、御幸一也」
『知ってるよ』
「まじで?」
『人気者だもん』

声をかけられて仲良くなりました。

それから数年後。彼は更にかっこよくなって
プロになって、私の友人と結婚した。

当時付き合ってた倉持くんとは今でもたまに連絡を取っている。
でも私は高校のあの声をかけられた時から
多分あなたに落ちてしまったようです。

「結婚したんだ」って友人に見せられた薬指のリングは綺麗に輝いていた。

「結婚したよ」って言ってきた貴方の薬指のリングも輝いていた。

「ねぇ佳純」
『何?』
「イケないことしようか」
『はい?』
「俺と浮気しよう」
『....え?』
「美香子もちゃんと好きだ」
『うん』
「でもあの時から俺は」

--お前に惹かれてたんだ--

私は小さく頷きかえした。
そしてこの日から私と彼は
イケない関係になってしまったのです。


((ダメなのに断れないの))

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