大好きで大好きでようやく 念願の彼氏になってくれたあの人は 今をときめく野球選手の 御幸一也さん。 でもその彼は他にも愛する妻がいて 私と彼の関係は 評判悪い"浮気相手"。 「...佳純！...佳純！？」 『っ！？...美香子？』 「ちょっと〜この年でボケ？早いよ？」 『ちょっと考え事してた』 ただいま私の家には友人で.....御幸くんのお嫁さんである 御幸美香子が来ている。 「ま、いいや。ちょっと聞いてよー」 『ん？』 「最近旦那が決まった日だけ帰ってこない」 『へ？』 一瞬ドキっとした。 だってその時はだいたい私と会っているのだもの。 「浮気かな？」 『違うでしょ〜』 「だといいな」 『そろそろ帰らなくていいの？ご飯の準備は？』 「あ、そうだ。じゃあ帰るね」 『うん、また来てね』 「来る！」 玄関で彼女を見送って数十分後、チャイムが鳴った。 「こんにちは」 『おかえり？』 「ただいま佳純〜」 『わ、奥さんにしてあげなさいよ』 「はっはっは」 ドアを開けたら会いたかった彼が立っていた。 いきなり抱き着いてきたので、驚いたけどうれしい。 『さっきまで美香子来てたよ』 「あー....そんな気がする」 『...御幸くん』 「ん？」 『一回だけ....キスして？』 「....何回でもしてやるよ？」 どれだけ唇が繋がっていても、手が繋がれていて体も密着していても 私は貴方の本当の帰る場所ではないのです。 ((本当の家はここじゃない)) [ ] | [次＃] [戻る] |