12
『はぁ?合宿?!』
「うん!」
『深海に沈めくず川』
「ひどいっ!」
『ひどいのはどっちだ!』
「はい美緒」
『徹のばかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』
「あだっ!!!!」
一静に渡されたバレーボールを思いっきり徹の頭狙って投げた。
ボールは綺麗に徹の後頭部に命中。
どうだ、引きこもりゲーマーでも命中率は高いんだぞ。
どうしてこうなったかというと....数分前に遡る。
練習が終わって、自主練を開始したいつものメンバーに
"監督のとこに行ってくるね☆"と言って消えた
クソ川徹くんがスキップしながら体育館に戻ってきた。
そして、口を開いたかと思えば
「第二回!男子バレー部合宿!in海!夏の陣!」
と叫んだのである。
しかも珍しく学校が休みになった平日の二日間に行うとか。
やっぱり溜めてたゲームを消費しようと思っていたあたし。
こうしてボールは徹の頭に当たることになったのです。
『ふざけてんのか!!!』
「美緒ちゃんの威力のほうがふざけてるよ!!」
『脳震盪起こしたいの?』
「さーせん」
「まぁまぁ...」
『止めないで一静。今ならやれる』
「それ変換間違ったら美緒ちゃん危ない人だからね!?」
「もうあんたは黙ってろ」
沙那が徹の口封じしなかったらあたしは本当にやり遂げてた。
ありがとう、我が親友よ。
「またゲーム溜めてたの?」
『うむ』
「持っていこう?」
『...ちゃんと手伝ってくれる?』
「もちろん」
こうしてあたしは第一の関門を突破した。
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