アイス | ナノ
14


突然のビーチバレー大会が始まってはや数十分。
向こうの主将さんも胃を痛めながらも必死に頑張っていた。

『うちのが本当にごめんなさい....』
「大丈夫、それに皆楽しそうだから...」
『潔子ちゃんよく声かけられるでしょ』
「沙那ちゃんも」
『....!!』

どうだ徹。お前より先に潔子ちゃんに名前で呼んでもらったぞ。
あ、どうでもいい?

『それにしても、後ろの子大丈夫?』
「ひゃ、ひゃい!?」

星のゴムをつけた、前行われた練習試合の時には
見かけなかった子が潔子ちゃんの後ろでプルプル震えていた。

「くそかわ....」
「お姉ちゃんと遊ぼうか?」
「ひ、ひぃ...!?」
『こら美緒、梨々香、可愛い子いじめない』
「あだっ!」

あたしの周りは本当変な人しかいない...

『ごめんね?大丈夫?』
「は、はいっ!!」
「あ、女マネちゃん増えてるー!」
『...及川重い、耳元で叫ばないでうるさい』
「ごめーん」
『....海に沈めてほしい?』
「すみませんでした」

可愛い女の子に手を差し伸べていたら後ろから徹が乗ってきた。
こいつは本当人にのしかかるの好きだな、重い。

『...かき氷で許してやる』
「私も食べたい」
「....沙那ちゃんと潔子ちゃんの分だけなら...」
『沙那ー梨々香ー!及川がかき氷奢ってくれるー!』
「マジで?!徹ゴチでーす!」
「貴大に後でお金返させるね?」
「え、ちょ梨々香さーん?」
『仁花ちゃんも行こう?』
「...ひゃい!」
「いや、あの...え?」

こうしてあたしを含む5人で仲良くかき氷を食べました。

『あ!!!』
「ん?どうしたの沙那」
『望海...』
「あぁ、岩泉くんが迎えに行ったよ」
「今頃どっかでイチャイチャしてるんじゃない?」
『一ちゃん帰ってくるかな...』
「....まぁそれは後回しだよ」
『ですよねー』

恨めしそうにこっちを見ていた徹が見えたので
一口分すくって差し出した。

「え?」
『あー』
「あー『ん』...あぁぁぁぁ!!」
『うるさい』
「ひどい!!」

まぁ、私が食べましたけど。

((もうめんどくさいな))
((だってー))
((はい、早く食べなさいよ))
((もう沙那ちゃん大好きっ!))



[*前] | [次#]
ページ:




第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -