08
まだ寝ぼけてる望海ちゃんを引き連れて食堂へ。
すると父母会の方がお揃いでいろいろ調達してくれていた。
「おはようございます」
「おはようー...あら?」
『あ、貴大ママ』
「梨々香ちゃん!どうしたの?」
『お手伝い〜』
「そうなの?」
『うん』
貴大のママとは小学校の頃からのお付き合い。
色々話ながら準備をしていると、また面白い話が聞けた。
「じゃあ帰るね」
『ありがとう〜』
ママとバイバイすると、今度は貴大が起きてきた。
「早いねー」
「なんか目、覚めちゃって」
『まだ寝てなよ〜』
「ん〜」
とりあえず、寄りかかるのやめてもらえないかな...
180cmオーバーしてる野郎を支えられるほど
私は強くありません。
『貴大、重い』
「うーん」
『おいこら起きろ』
「んー」
『包丁で刺すよ?』
「ごめんなさい」
『ほら、そこで座って寝てなさい』
「やだ梨々香といる」
『じゃあ起きてて』
「んー」
なんだこいつ可愛いのか面倒くさいのかどっちかにしてくれ。
とりあえずなんとか彼を椅子に座らせ準備をする。
ありがたいことに父母会の人が下ごしらえとかやっていてくれたみたいで
準備はすぐ終わった。
部員さんたちもだんだん食堂に集まってくる中...
「マネと部長たちが来ない...」
おい、それでいいのか3年生...。
でも誰かが起こしに行かないと起きてこないだろう。
...いいこと思いついた。
『望海ちゃん起こしてきて〜』
「で、でも梨々香ちゃんが...」
『大丈夫だよ?』
席でボーっとしている貴大を一緒に手伝わせよう。
チラッと彼を見ると、向こうも私の意思に何となく気が付いたみたい。
「じゃ、じゃあ起こしてくるね」
『いてらー!』
さて、私は部員さんたちに朝ご飯を食べさせましょう。
味見したお味噌汁はあったかい味がした。
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