09
とりあえず彼の顔とあたしの顔が奴に見えないように、抱きついた。
「どうしたの?」
『まだ寝たい...』
「及川さんもまだ寝てたーい」
『じゃあいいじゃん...』
ぎゅーって音が聞こえそうなくらい抱きしめられる。
「ねぇ沙那ちゃん」
『ん』
「沙那ちゃんは他の誰とも違うからね」
『ん』
「俺はどんな沙那ちゃんでも大好きだよ」
『うん...』
「はい!じゃあおやすみ〜」
なんだこいつ。いつの間に人の心読めるようになったんですか。
悔しいけど、あたしもやっぱり徹のこと大好きなのかもしれない。
そしてまた眠りにつこうとしてた時に
「こらー!いつまで寝てんのー!」
ちょっとお怒り気味の望海さんがやってこられました。
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