08
無理やり徹を叩き起こして、あたしと女子の皆でお風呂に入りに行った。
そのあと体育館から明かりが漏れていて、覗いてみれば馬鹿な奴が四人、また動いていて説教したのは別の話。
『ねぇ美緒さん?』
「あい」
『早く寝なさい』
「んー」
あ、これは聞いてないな。
まぁ困るのは彼女だし、いいや。
いつの間にかあたしは深い眠りに落ちていた。
「起きてー沙那ちゃんー起きてー!」
『んぅ...』
なんか徹の声がする。
あたし、まだ眠いんだからもう少し寝せなさいよ....
「起きてーー!」
『...うるさ...っ!!!』
うるさい大きな声を止めようと思い、
少しだけ目を開けると、目の前に徹の顔があって、何故か同じ布団の中。
「おはよ、沙那」
『....ん』
ニコっていういつもの笑顔じゃなくて
あたしのこと愛しく見てる?そんな笑い方をした徹に思わずドキッとしてしまった。
まるで、こいつの顔にだけ興味ない人たちと同じになったみたいでなんか嫌になった。
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